「大谷ルール」合意!降板後もDH出場OK 「三刀流」不要で50打席前後増える

[ 2022年3月24日 02:30 ]

<エンゼルス・ロッキーズ>試合前、元同僚のロッキーズのイグレシアス(左)と抱き合い笑顔の大谷(撮影・光山 貴大)
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 大谷の活躍により生まれた大谷のための新ルールだ。大リーグ機構(MLB)と選手会が、打順に入った先発投手が降板後もDHで出場を続けられる新ルールに合意したと、ニューヨーク・ポスト紙が22日(日本時間23日)に伝えた。採用されればエンゼルス・大谷翔平投手(27)が投打同時出場で先発登板した試合での降板後のデメリットが解消され、チームにも大谷にも恩恵が大きい。

 二刀流が、また米球界を動かした。エンゼルスのジョー・マドン監督は「素晴らしいニュース。歴史を変えることになる」と興奮気味に話した。ロイヤルズとのオープン戦後の記者会見は、その話題一色だった。

 昨季まで大谷が投打同時出場でプレーするには、DHを解除して「1番・投手」などで出場し、降板後も打席に入るには外野守備に就く「三刀流」をこなす必要があったが、新ルールならDHとして残ることができる。昨夏のオールスター戦も同様の特別ルールで実施され、大谷は「1番・DH兼先発投手」で史上初の二刀流出場。先発投手として1イニング投げ、降板後の3回にも打席に立った。

 ニューヨーク・ポスト紙によれば、今回の新ルール導入は、二刀流選手を大リーグ全体で増やそうという狙いがある。昨季二刀流で9勝&46本塁打をマークしてア・リーグMVPに輝いた大谷の活躍が呼び水となった。選手会とMLBは合意済みで、各球団の承認を経て正式に決定する。承認されれば今季から実施される。20年に従来の投手、捕手などに加えて「Two―Way Player(二刀流選手)」の登録が新設されたのに続く「大谷ルール」だ。

 昨季、大谷が投打同時出場した試合は20試合で計69打席。昨季と同じ23試合に登板したと仮定し、1試合4打席で見積もると約20打席増える。これとは別に、両リーグDH制導入によって約30打席増えるとみられ、合計50前後増える計算。昨季2本差で逃した日本選手初の本塁打王獲得にも追い風となる。

 現時点で恩恵を受けるとみられるのは、投打でレベルが高い大谷を擁するエンゼルスだけ。マドン監督は「彼だけが有効に使えることに異論があるかもしれない。ただ、真の二刀流選手として成し遂げてきたことからすれば値する。これはSHO(HEI)ルールだ」と、その意義を強調した。(柳原 直之)

 ≪チーム負担軽減 デメリット解消≫大谷の投打同時出場によるデメリットが生じた典型的なケースが、昨年6月30日のヤンキース戦。「1番・投手」で先発した大谷は2/3回を2安打5四球7失点で降板した。DHを解除して臨んだため、リリーフした7投手のうち、バンディ、ワトソンの2人が打席に立ち(いずれも三振)、4番出場したゴスリンや、捕手のスズキが打順の都合で交代を余儀なくされた。 

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2022年3月24日のニュース