JRAの武豊が阪神・藤浪にエール 虎のエースに返り咲きチームを17年ぶりの優勝へ導け!!

[ 2022年3月24日 05:30 ]

笑顔で練習にのぞむ阪神・藤浪(撮影・椎名 航)
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 プロ野球はセ、パ・リーグが、25日に開幕する。阪神の初陣となるヤクルト戦(京セラドーム)で開幕投手を務める藤浪晋太郎投手(27)と親交が深いJRAの武豊騎手(53)が23日、本紙に特別手記を寄せ、エールを送った。阪神ファンで知られる競馬界のレジェンド。球場と競馬場で舞台は違っても1勝に懸ける思いに違いはない。個人の活躍はもちろん、チームとしても17年ぶりの優勝を願っている。晋太郎、今年は頼むぞ!

 2年連続の開幕投手を務めるという情報を目にしました。まずはチームに勢いをつけるような好投を期待したいと思います。

 さて、「晋太郎」や「シンちゃん」と呼ぶボクと彼の間柄は割と世間に知られています。一緒のジムでトレーニングをしていることが、スポーツ新聞などで取り上げられたこともありました。晋太郎と仲良くなったのはタイガースに入団して3年目くらいだから結構、長い付き合いです。

 スポーツの世界に身を置く人間は先輩が後輩をイジることはあることで、数年前なら晋太郎に「大谷クン」と冗談でイジったことがありますよ。彼もノリが良くて「ハイ!」なんて返事をしてましたけど、いまや本物(大谷翔平)はメジャーを代表する選手。甲子園を沸かせた2人の差が大きくついた今では冗談でも言えないです。

 そんな晋太郎にはたくさんの魅力があって、一つは先輩の懐に飛び込んで吸収しようとする貪欲さ…。いや、憎めないかわいさです。ボクにイジられても、くっついてくるし、今オフに話題となった巨人の菅野投手への弟子入りも小さなことにこだわらない人間力の一面じゃないですか。

 有馬記念の夜に一緒に食事をするのはコロナ前なら恒例行事。ボクは好きなプロ野球の話を聞かせてもらうのですが、晋太郎は立場を変えて競走馬のことを知りたがります。競馬の知識が豊富で血統まで詳しいです。晋太郎とのコラボですか?球場では実現していませんね。彼のボールを受けたら手が痛いし、ボクが打席に立って当てられたら困ります。現実味があるコラボは地方競馬の馬券対決でしょう。

 先日には「いい仕上がりです」と本人から聞きました。今年はエースに返り咲いても不思議じゃないので本当に楽しみです。そうそう晋太郎は球速160キロの真っすぐを投げるけど、この速さを競走馬に当てはめれば芝で上がり3F33秒前半の脚に匹敵。武器になるってもんですよ。食事の量は驚くほどでもないから「そこは藤浪ならぬ“人並み”晋太郎なんやな」と、ちゃかしているけど身体能力はやはりスケールが違う。願いは阪神ファンの皆さんと同じで、晋太郎のエース復活とチームの優勝です。(JRA騎手)

 ▽藤浪と武豊 藤浪がプロ入り後に親交を深め、幾度となく先輩アスリートとして助言を授かってきた。18年12月には武が総合プロデューサーを務める京都市内のジムで藤浪が自主トレーニング。可動域や柔軟性を意識したメニュー中心に取り組んだ。21年の開幕戦には、武のイメージカラーである紫を意識したグラブを新調している。

 ◇武 豊(たけ・ゆたか)1969年(昭44)3月15日生まれ、京都府出身の53歳。87年、騎手デビュー。新人最多勝新記録を樹立し、JRA賞最多勝利新人騎手を受賞。以降、数々の記録を打ち立てた日本競馬界のレジェンド。2018年に前人未到のJRA通算4000勝を達成、21年10月24日に4300勝を記録した。現在JRA通算2万3401戦4338勝、うち重賞347勝(G178勝)。1メートル70、51キロ。血液型O。

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