広島・小園 どん底から定位置をつかむまでの心境の変化を語った 遊撃レギュラーの座は渡さない

[ 2022年3月24日 05:30 ]

今季へ意気込む小園
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 今年から広島の若手選手が本紙に寄稿する特別コラム「若ゴイ跳ねる。」がスタートする。記念すべき第1回を担当するのは、高卒1年目の2019年以来3年ぶりの開幕1軍をつかんだ小園海斗内野手(21)。どん底も味わった1、2年目から昨季に定位置をつかむまでの心境の変化を吐露。レギュラーとして迎える今季への決意も語った。

 開幕1軍は、新人だった2019年以来になります。1年目の開幕カードはマツダスタジアムでの巨人3連戦でした。ベンチ入りさせていただいた開幕戦で出場機会はありませんでしたが、こんなに独特の雰囲気なんだな…とベンチで驚いたことを覚えています。

 その1年目、失策が続いた試合がありました。気持ちが沈んでいた姿を見かねた当時の緒方監督に呼ばれ、言っていただいたのは「明日もあるのだから切り替えてやれよ」ということ。「落ち込むのではなくて、明日の投手の対策を練ったり、どうチームに貢献できるのかを考えなさい」と言われ、そこから「落ち込んでいる暇なんてないのだな」と考えるようになりました。

 ミスは誰にでも起こり得ることだと思います。でも、一発勝負の高校野球と違って、プロ野球は次の打席、次の試合で取り返せるチャンスがあります。守備でミスをしたときでも「絶対に打撃で取り返すぞ」と試合中から切り替えられるようになったのは、1年目と比べて精神的に強くなった証だと思います。

 2年目は結果を残せずに悔しい思いをしましたが、当時は純粋に実力が足りていませんでした。だから、めちゃくちゃ落ち込んだということはなかったです。「結果を残して1軍に呼んでもらえるように頑張るしかない」とだけ考えていました。下がるところまで下がったし、やるしかなかった。ここでどうするかは自分次第だぞ…と。いま1軍にいられるのは、2軍でコーチの方や選手にいろいろと教えていただいたから。振り返ると、2軍からはい上がろうとしたあの期間が、昨季の成績につながったのだと思います。

 昨年はたくさんの経験を積ませていただきました。打撃に関しては、僕の中でも急に感覚が良くなったんです。だから説明するのは難しいのですが、1年目から意識しているのは、体が開かないこと、上体を振らないこと。絶対におろそかにしてはいけない部分で、状態が悪くなると、ここができなくなるということは分かっています。ここだけは絶対に修正できるようにと意識しています。

 今季に向けて、オフ期間からショートのレギュラーを獲ることを目標に掲げてきました。その中で春季キャンプの打ち上げの際、佐々岡監督がみんなの前で言ったのは「捕手と二遊間以外は競争」だと。キャンプの段階で僕をショートのレギュラーと認めていただいたことには驚きました。そんなことを言ってもらえるとは思っていませんでした。とても光栄なことですが、その立場に甘えるつもりはありません。しっかり成績を残そうと改めて心に決めました。

 いよいよ今シーズンが始まります。全試合に出たいですし、ずっと試合に出続けるのがレギュラーだと思っています。精いっぱい頑張りますので、ファンの皆さま、今季も応援をよろしくお願いいたします。(広島東洋カープ内野手)

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