オリ・杉本 5階席へ超特大シリーズ王手弾!藤田通訳のアドバイス効いた「なぜか僕のところに来て…」

[ 2021年11月12日 05:30 ]

パCSファイナル第2戦   オリックス2ー0ロッテ ( 2021年11月11日    京セラD )

<オ・ロ>6回2死一塁、先制に2点本塁打を放ち生還し吉田正(左)と昇天ポーズを決める杉本(撮影・後藤 正志)
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 パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(S=6試合制)の第2戦は11日、レギュラーシーズン優勝のオリックスが同2位のロッテを2―0で破り、アドバンテージを含む3勝として、25年ぶりの日本シリーズ進出に王手をかけた。6回に杉本裕太郎外野手(30)が決勝の先制2ランを放って連勝に貢献。12日の第3戦に引き分け以上なら突破が決まる。

 ラオウは一瞬の隙も見逃さなかった。0―0で迎えた6回2死。目前で吉田正が美馬の右脚を直撃する投手強襲の内野安打で突破口を開いた。負傷降板の美馬に代わった東妻の初球だ。杉本が一撃で“昇天”させた。ど真ん中に来たスライダーを強振し、左翼5階席の広告フェンスに決勝弾を当てた。

 「甘い球が来たら初球から…と思っていた。打席に入る前、なぜか通訳の藤田さんが僕のところに来て、“クイックが速いから気を付けろ”とアドバイスをくれた。外国人選手ではなく、僕のところに来て…。でも、おかげで対応できました」

 前年2発から32発へ大覚醒して初本塁打王に輝いた実力を発揮。悠々とダイヤモンドを一周し、ベンチ前では右尺骨骨折から驚異的な回復力で復帰した青学大の後輩とともに、右手を突き上げる恒例の“昇天ポーズ”を決めた。まるでラオウと弟のケンシロウがそろい踏みしたかのような光景だった。

 「(吉田)正尚がまだ100%ではない中で、やってくれている。試合に出てくれるだけで勝てる気持ちになる。次の打者の僕が、つないでいこうと思っていた。昨日は何もできなかった。チームは勝てたが、悔しかった。今日は絶対に打ってやろうと思っていた」

 前夜の3打数無安打は力みによる大振りが原因と自己分析し、打撃練習は室内のみで調整。シーズン中に中嶋監督から助言された“室内限定フリー打撃”だった。あえて視界の狭い室内で振ることでコンパクトなスイングを意識付ける狙い。「今日は自分から“室内に行きます”と言いました」と明かした。

 しっかり修正し、2回に中前打、4回は左前打。球団では08年ファーストS第1戦で小瀬が記録して以来の猛打賞で目覚めた。レギュラーシーズンでは同一カードの球団タイ記録の13発、打率・430を残したロッテ戦。大一番でもキラーぶりを見せつけた。「あと1勝で日本シリーズ。4番という意識ではなく、“4番目の打者”として、しっかりやる」。無傷の王手は突破率100%。このまま一気に頂上決戦へと突き進む。(湯澤 涼)

 ▼オリックス中嶋監督 しのぎあい、守りあいしかないと思っていた。杉本は昨日はちょっと力が入っていたが、今日はすぐに修正してくれた。非常に大きい本塁打だった。

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