前ロッテの小窪 古巣・広島で1軍内野守備走塁コーチとして再出発「常勝軍団になるよう全力を尽くす」

[ 2021年11月12日 05:30 ]

紅白戦   白組3ー2紅組 ( 2021年11月11日    マツダ )

広島球団旗の前でガッツポーズする小窪氏(代表撮影)※
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 広島は11日、今季限りで現役引退したOBで前ロッテの小窪哲也氏(36)と来季のコーチ契約を結んだと発表した。リーグ3連覇を肌で知る選手の指導者転身は初。1軍で内野守備走塁を担当する。会見では「常勝軍団になるよう全力を尽くす。若いので(選手との)橋渡し役になれれば」と抱負。佐々岡監督が掲げる一体感の醸成にも貢献を誓った。

 秋季練習中のマツダスタジアムで開かれたコーチ就任会見。来季から1軍の内野守備走塁部門を担当する小窪氏は「勝つ喜びは(記憶に)残っている。みんなで常勝軍団になれるように」とし、力強く意気込みを語った。

 「強いチームは守備がいいし、隙がない。そこは責任をもってやりたい。選手をリスペクトし、コミュニケーションを取りながら」

 2年ぶりとなる古巣復帰。この間は貴重な経験を積んできた。昨オフに指導者転向を打診されるも、現役にこだわって自由契約を選択した。今年6月には独立リーグ・九州アジアリーグの火の国(熊本)に、8月31日にはロッテに入団し、その瞬間を全力で走り抜いた。

 「僕の中では宝物のような時間。いろんな角度から勉強してきたし、僕しか経験していないものもある。長所は伸ばし、変えるところは変えていけるように、感じたことをしっかり伝えていきたい」

 25年ぶりにリーグ制覇した16年、同2連覇の翌17年に選手会長を務めた人格者。会見後に象徴的なシーンがあった。選手会長を引き継いだ会沢がサプライズ入場しており、ひときわ大きな拍手で復帰を歓迎。小窪氏は照れ笑いを浮かべた。

 「コミュニケーションが足りず、選手の長所を引き出してあげられなかった」。2日のオーナー報告後、佐々岡監督は2年連続Bクラスをそう反省。「選手と年齢が近いので関係性にも期待したい」と話し、掛け声倒れの感がある「一体感」の熟成に小窪氏の人望にも期待感を示した。

 「(コーチ陣で)一番若いので、橋渡し役になれれば。押しつけるばかりではなく、要望も聞きつつ、選手と一緒の気持ちで戦えるコーチになりたい」

 会見後にはグラウンドに姿を現し、佐々岡監督やコーチ陣にあいさつ。会話を交わしながら秋季練習を見守った。黄金時代の構築に貢献した選手が指導者としてチーム再建に携わる初のケース。新任コーチの奮闘に期待だ。(江尾 卓也)

 ◇小窪 哲也(こくぼ・てつや)1985年(昭60)4月12日生まれ、奈良県出身の36歳。PL学園から青学大を経て07年大学生・社会人ドラフト3巡目で広島入り。内野のどこでも守れるユーティリティー性で1軍に定着。20年オフに自由契約となり、今季は独立リーグを経て8月にロッテでNPB復帰。10月29日に引退表明。通算712試合、打率.257、19本塁打、155打点。右投げ右打ち。

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