菊池雄星「理想のピッチングができた」7回零封 強力アストロズ相手に直球で真っ向勝負

[ 2021年9月1日 16:05 ]

アストロズ戦に先発した菊池雄星(AP)
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 マリナーズの菊池雄星投手(30)が8月31日(日本時間9月1日)、シアトルでのアストロズ戦で今季25度目の先発登板。7回4安打2四球4奪三振の力投で、打率、出塁率、OPSリーグトップの強力打線を無失点に抑えた。7回を投げきったのは7月1日のブルージェイズ戦以来。しかしながら味方の援護がなく、0対0で降板、今季8勝目はならなかった。

 この日の菊池は、直球に強いとされるアストロズ打線に対し、全投球95球のうち、直球が62球(全体の65%)と力で押した。初回、苦手にしてきた3番コレアに3―2から96・5マイル(約155・3キロ)の外角直球で空振り三振。3回は一死一塁で2番ディアスを外角直球で遊ゴロ併殺。6回も一死二塁のピンチを背負ったが、4番アルバレスを内角直球で左飛、5番グリエルを外角低め直球で一塁ゴロに。この日の直球は最速96・7マイル(約155・6キロ)、平均で95・1マイル(約153キロ)。これまで多投してきたカッ卜ボールはわずか9球。他チェンジアップが16球、スライダーが8球の内訳だった。試合は8回5番トロに満塁本塁打が飛び出し、マリナーズが4対0で勝った。

 試合後の一問一答は以下の通り。

 ――7回無失点。
 「最近良くなくて、投手コーチや他の先発投手や、岩隈さんと何が原因かを話し合ってきて、フォームがすごく改善したんじゃないかなと思う」

 ――メジャーに来て一番直球が多かった。いつボールが走っているとわかったのか。
 「初球投げた時点で、もちろんブルペンからも良かったんですけど、良い感じで入れた。今日は良い真っ直ぐを投げられる自信があった。それと捕手が直球とチェンジアップ中心にこれまでにない強気の配球をしてくれた」

 ――今日は違う投手になった気分か。
 「もともと一番直球に自信がある。今日はひさしぶりに真っ直ぐを投げられたなと。自分の理想のピッチングができた。オールスターあけてからなかなか思うように行かず、試しながらやっていた。やっとこれかなというのが3日前くらいにつかめた」

 ――具体的に修正点とは。
 「いろんなことをやりながらで、これだけではなかったんですけど、ステップの位置を変えました。一足か、もしかしたら二足分くらいインステップになっていたのを、そこをまっすぐにまっすぐにという意識で修正しました。とくにカットボールを投げるとインステップになりがちなので、練習ではあまりカットボールを投げないようにしました」

 ――2回に捕手がマウンドに来た。何を話しにきたのか。
 「いいボールが来ているから自信を持って。ストライクを取ろうとせずに、絶対に取れるから全力で腕を振ってくれと言われました」

 ――自身に勝ちがついて欲しかったのでは。
 「評価の軸は勝ちに置く必要はない。いいボールがいったのと、7回まで投げられたことに、僕は価値をおいている」

 ――今日の手応えは長期的なものか。
 「アストロズ相手にストレートで押せたのは自信になる。長期的に見ても励みになる」

 ――次もアストロズ戦。
 「僕らは追い上げる立場で、また投げられる。2回連続でどんなピッチングができるか、今から楽しみです」

 ――アストロズは特別な相手か。
 「一通りいろんなチームと戦ったが、選手層、野球の緻密さ、走塁面も含め、優勝できるチームだという印象があります。こういうチームに良いピッチングができると、より自信を深められる」

 ――久しぶりに満足行く内容。
 「こんなはずじゃないというフラストレーションの中、2カ月間いた。久しぶりに息ができる」

 ――直球が6割以上で、相手チームのデータを壊したのでは。
 「相手どうこうというより、コーチ、投手、捕手と話して、まっすぐでもっと押せるはずだと。まずはその割合を増やせばどうかと。チェンジアップも打たれてないのだからもっと投げるべきと言われました」

 ――チェンジアップで気をつけているのは。
 「高さだけ気をつけて、真ん中低めに落とす。その意識です」

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