“梅雨明け”阪神・大山 4カードぶり勝ち越し導く決勝3ラン!9日からの首位攻防巨人戦に弾みつけた

[ 2021年7月9日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神6-5ヤクルト ( 2021年7月8日    神宮 )

<ヤ・神(15)>8回2死二、三塁、3ランを放つ大山 (撮影・白鳥 佳樹)
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 阪神・大山悠輔内野手(26)が8日のヤクルト戦で、チームを4カードぶりの勝ち越しに導く決勝弾を放った。同点に追いついた直後の8回2死二、三塁から右翼席へ10号3ラン。球団右打者では03~06年の矢野輝弘以来となる4年連続2桁本塁打となった。2位・巨人が敗れたため、ゲーム差は「2・5」に。きょう9日からの甲子園3連戦で、宿敵を大きく引き離す。

 一足先に、大山が“梅雨明け”を告げた。3―3の8回2死二、三塁。強打者特有の豪快な一撃に、雨音をかき消すほどの歓声が沸き上がった。

 「チーム全員でつないできたチャンス。何とか還すことだけを考えて打席に入りました。ホームランになったのですごくよかった」

 梅野の適時打で同点とした直後の打席だった。カウント1―1から清水が投じた3球目。真ん中高め144キロを強引に振り回すことなく、つなぎの意識で捉えた。狙い通りに上がった白球は、右中間席へ着弾。チームに4カードぶり勝ち越しをもたらす、10号決勝3ランとなった。喜びをかみしめながらベンチに戻ると、待っていたのは「虎の金メダル」。4年連続の2桁本塁打に到達し、球団右打者では03年~06年の矢野輝弘以来となった。

 「この何試合か自分の仕事ができていなかったので、とにかく必死にいきました」

 主将の責任を感じながら戦ってきた。背中の張りから5月下旬に復帰して以降、状態が上がらず苦しんできた。特に6月は打率・211と低調。6月29日のヤクルト戦では4番から6番に降格し、今カード初戦の6日からは7番での起用となっていた。忸怩(じくじ)たる思いがあったのは、想像に難くない。それでも前を向けたのは、仲間の存在があったからに他ならない。

 マルテからは励ましの言葉をかけてもらい、練習中は新井打撃コーチに付きっきりでフォームの確認をしてもらった。「本当に迷惑ばかりかけているので、何とかチームに貢献したいと思って1試合1試合やっている」。とにかく、勝ちたい。4番としての意地もある。文字通り、さまざまな思いが詰まった一撃。矢野監督からは「去年と比べたらアイツも苦しい状況というか気持ちで戦っていると思う。糧にして、悔しさをバネにして、やっていってくれる1本やったかなと思う」と称えられた。

 6日の同戦で放った決勝本塁打に続き、たまっていた“ヤク”は完全に振り払った。きょう9日からは2・5ゲーム差につける2位・巨人との3連戦。16年ぶりVへ前進するべく、真価を発揮する時が訪れた。(長谷川 凡記)

 ○…大山(神)が決勝の10号3ラン。勝利打点9度は、8度で並んでいたマルテを抜きチーム単独最多となった。年度別の本塁打数を見ると、2年目の18年から11→14→28→10と4年連続の2桁。阪神で4年以上連続の2桁本塁打は15~19年福留(現中日)の5年連続以来26人目。右打者では現監督の矢野が03~06年に記録して以来15年ぶり。

 ▼阪神井上ヘッドコーチ 打順に関係なくと本人は言っているけど、自分が4番を打ちたいという気持ちは持っているはず。こういう仕事をして、アピールできたと思う。打って“チームも勝ったでしょ”というところを見せてくれたし、クリーンアップに戻るのは時間の問題じゃないかな。

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