阪神・スアレス 大雨に負けずキッチリ25S ヤクルト先発の実兄と今季初の「競演」に「うれしかった」

[ 2021年7月9日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神6-5ヤクルト ( 2021年7月8日    神宮 )

<ヤ・神(15)>阪神4番手・スアレス (撮影・白鳥 佳樹)
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 降りしきる大粒の雨にも、塩見の粘りにも、阪神・スアレスは集中力を乱さなかった。最後の9球目は内角低めへの155キロ。塩見のバットが空を切ると、クールに拳を握った。

 「いつも通り、セーブを取れるようにマウンドに上がった。このシリーズをしっかり勝ち越せて、勝って甲子園に帰れるのは何よりだよ」

 波乱含みの展開だった。強い雨の影響もあり、8回には両軍ともに失策絡みで点を取り合っていた。点差は1点。絶対的守護神とはいえ簡単ではない状況で、1死から代打・中村に初球を中前打された。

 ここで敵将・高津監督は渡辺に1死からの送りバントを指示。何としてでも1点をもぎ取りにきた相手に真っ向から立ち向かい、見事に25セーブ目をつかんだ。

 普段より発奮する材料もあった。相手先発は実兄のアルバート・スアレス。今季初めて同じ試合のマウンドに上がった。普通に会話できる環境だった頃は、グラウンドで談笑することもあった仲のいい兄弟。兄も6回2失点と力投したこともあり「うれしかった。前(昨年10月19日)は甲子園だったと思うけど、また2人で試合ができたのはうれしい」と目尻を下げた。

 矢野監督は「いつも通り正々堂々というか、力で押し切ってくれた。本当にどんな形でも勝てたというのが大きいかなと思います」と安どの表情。どんな苦しい展開となっても、1点でもリードを守れれば、どこよりも頼もしい最後の砦(とりで)が猛虎にはある。(山添 晴治)

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2021年7月9日のニュース