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幼なじみが語るロッテ・朗希 菊地広翔さん、全てを知るからこそ「頑張ってね、だけ」

[ 2021年3月11日 05:30 ]

幼少期の佐々木(下)と菊地さん
Photo By 提供写真

 仙台の地でロッテ・佐々木朗の初登板を心待ちにする人がいる。同じ保育園、小学校、中学校に通い、別の高校に進学後も自主練習をともにした菊地広翔(ひろと)さん(19)だ。小3で野球を始めたときも、津波から必死に逃げたときも、そばにいた。

 菊地さんが学校で算数のテストを受けていた時に教室は大きく揺れた。皆で校庭に待機したが、誰かが叫んだ「津波が来るぞ!」の一声でパニックに。菊地さんは学校付近の高台に駆け上がり助かった。泣き続けていると、他のクラスだった佐々木朗を見つけ「助かったんだ」と悟った。

 小学校時代にはバッテリーを組んでいた。高校は大船渡東に進み、大船渡の佐々木朗と1度だけ対戦して3球三振。その親友を、あの夏ほど凄いと思ったことはない。19年7月24日。岩手県営球場で準決勝に臨んだ右腕は最速157キロの直球を軸に一関工を2安打完封。前日に電話で「見に行くよ」と約束した菊地さんは観客席にいた。「一番長く一緒にいて、一番よく知っていた朗希を尊敬してしまっていた」という。

 昨年12月に菊地さんは関東に行く機会があり、高校卒業以来の再会を果たした。プロで1年を過ごした佐々木朗に「体が大きくなっていてびっくりした」。とはいえ、すぐに高校時代の恋愛話や、ともにファンであるアーティスト・あいみょんの話題で盛り上がった。野球の話も震災の話もしない。互いの全てを知っているから。

 エールや励ましの言葉を送ったことはないが、今回は特別。「朗希もいろんな思いを込めて投げると思う。頑張ってね、のメッセージだけ送りたい」。菊地さんは現在、仙台医健・スポーツ専門学校に通うが新しい夢もある。若い2人。寄り道しながらでも、一歩ずつ前に進めばいい。(柳内 遼平)

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