タナキク復活へGO 河田HCがかつての名物コンビに特別講習「彼ら2人の1、2番がベスト」

[ 2021年2月2日 05:30 ]

走塁練習する田中広を見つめる河田ヘッドコーチ(右) (撮影・奥 調)
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 広島の沖縄キャンプでは、新任の河田ヘッドコーチによる1日限定の特別講習が開かれた。打撃ローテーション終了後に田中広輔、菊池涼介両内野手を室内練習場に呼び、非公開でバント、バスターなどのチーム打撃を特訓。タナキク1・2番コンビ復活へ、3連覇の立役者たちはその気だ。

 解体されて久しい名物コンビを復活させようと、4年ぶりに復帰した熱血漢がさっそく動いた。打撃ローテーション終了後、田中広と菊池涼を指名して開かれた、キャンプ初日限定の特別講習。発案者の河田ヘッドコーチが意図を説明する。

 「彼ら2人にはまだまだチームの中心として働いてほしいし、全ての面で見本になってほしいからね。本人たちにも伝えてある」

 バントやバスター、進塁打のサインに従って室内練習場で約30分間、交互に5球ずつを打った。チーム打撃は今春の重点課題。得点力を上げるために全員で取り組み、前日31日のミーティングでも方針を確認済みだが、初日にあえて2人を呼んだのには理由がある。

 「そういうサインが必要な2人なので。ベンチが自信を持って出せるようにキャンプでしっかり準備してほしい、お前たちには出るんだぞ…ということを分かってほしかった」

 何しろ、リーグ3連覇の原動力になった実力者たちだ。チームが下降線を描き始めた19年にコンビは事実上解体されたが、老け込むにはまだ早いとばかりに2人の実績や立場を尊重しながら、発奮を促すあたりが河田ヘッドコーチらしい。

 「1日1回は必ずチーム打撃のことを考えて練習してほしい…と伝えた。反応は非常に良かったと思います」

 その言葉通り、タナキクは肯定的に受け止める。「どうやったらチームが良くなるか。いいものはいい、悪いものは悪いと河田さんは言ってくれる」と田中広。菊池涼も「それが僕の仕事。そういう野球もやっぱり、必要だよね…と再認識できた」とうなずく。

 セ界を席巻した16年から18年。グラウンドを縦横無尽に駆け回ったタナキクコンビは、強いカープの代名詞でもあった。河田ヘッドコーチは改めて言う。

 「彼ら2人が1、2番に座ってくれればベスト。僕はそう思う」

 人心掌握術にたける新首脳の言葉を胸に刻み、百戦錬磨の31歳と30歳は再び輝く。(江尾 卓也)

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