近大・大杉 今季公式戦初打席で代打逆転サヨナラ打「今までの人生で一番うれしい」

[ 2020年11月8日 18:34 ]

関西地区大学選手権大会   近大2―1関西国際大(延長11回タイブレーク) ( 2020年11月8日    南港中央 )

<近大・関西国際大>延長タイブレーク11回1死満塁、近大・大杉はサヨナラ適時打を放ちガッツポーズ(撮影・後藤 大輝)
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 今季、公式戦初打席で大きな仕事を成し遂げた。0―1で迎えたタイブレークの延長11回1死満塁。代打で起用された近大・大杉渉太捕手(2年=東山)が右前へ逆転サヨナラとなる2点打を放ち、2年ぶり4回目の優勝を決めた。ベンチから飛び出してきたナインの歓喜の輪に飲み込まれ「今までの人生で一番うれしかった」と満面の笑顔だった。

 計40選手が出場した総力戦。11回の時点で野手は3番手捕手の大杉と、榎木貫太内野手(1年=大阪桐蔭)だけ。田中秀昌監督は投手の打順に回り、2者択一となった局面で大杉を選択した。

 「1週間前のチャレンジトーナメントで安打を打っていたし、投手も左なので右の大杉にかけようと」

 同点で終わった場合、次の回から捕手はスタメン出場の井町だけ。井町に故障が発生した場合は「頭の中では、佐藤を守らせるしかないな…と思っていた」と高校まで捕手経験のある阪神ドラフト1位・佐藤輝明内野手(4年=仁川学院)を起用することまで考えた。腹はくくった。指揮官の不退転の決意に大杉が逆転サヨナラ打で応えた。

 一振りで今大会の最優秀選手に輝いた大杉は「申し訳ないです」と恐縮しきり。それでも「キャプテン始め、4年生はいい人ばかり。みんなのためにも最後、勝てて良かった」と喜んだ。佐藤には事あるごとに食事に連れて行ってもらい、打席内での考え方などを教えてもらってきた。「バットの出し方とか、今までと違う感覚でした」。殊勲打を放ち、ベンチに目をやると1メートル87、94キロの佐藤が突進してくるのが見えた。「少し、怖かったです。たくさん叩かれましたし」と冗談を交え、うれしそうに振り返った。

 優秀選手の記念盾は観戦に訪れた両親に渡すつもりだ。「同級生の捕手は多いけど、まだレギュラーは確定していない。レギュラーを取れるようにやっていきたい」。最高の活躍がさらなる成長へのスタート地点となる。

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