ロッテ 藤原逆転V弾でCS王手!9回1点差迫られ、2死から23分中断も益田しのいだ

[ 2020年11月8日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ4―3オリックス ( 2020年11月7日    ZOZOマリン )

<ロ・オ>オリックスを破り、雨の中エアタッチをかわす藤原(中央手前)らロッテナイン(撮影・長久保 豊)
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 ロッテの藤原恭大外野手(20)が7日のオリックス戦で4回に逆転の3号3ランを放った。デーゲームで西武が楽天と引き分け、負ければ王手をかけられる一戦。高卒2年目の若武者がチームを救い、西武に0・5ゲーム差をつけて単独2位に浮上した。8日の本拠地での西武との直接対決に勝てば2位が確定し、4年ぶり7度目のクライマックスシリーズ(CS)進出が決まる。

 勝利目前だった。9回に1点差まで詰め寄られ、なお2死二塁。この緊迫の場面で雨脚が強くなり、まさかの中断。直前に左中間の飛球を好捕した藤原も緊張を解き、苦笑いでベンチに引き揚げた。

 23分間の中断中は「しっかりボールを追おう」とベンチで守備を確認しあった。デーゲームだった先月31日の楽天戦、3日のソフトバンク戦の2度、強烈な西日で中断。いずれも再開後に試合が動いたが、この日は守護神・益田が代打・伏見を一邪飛に仕留め、無事に単独2位に浮上した。

 立役者は20歳の若武者だ。0―1の4回2死一、二塁。藤原が榊原のフォークを右翼席にライナーで叩き込んだ。「来たボールを何が何でも打とうと思った」と初球を捉え、逆転の3号3ラン。前の2打席で空振り三振を喫したが、4回に若月の大飛球を中堅フェンスに激突しながらスーパーキャッチ。守備でつかんだいい流れを自らのバットに乗せた。

 「鬼滅の刃」が社会現象を起こすほどの大ブームだが、漫画好きの藤原のお気に入りは「キングダム」だ。若き主人公・信が中国の春秋戦国時代の乱世を舞台に天下の大将軍を目指すストーリーに「頭を使う。結構、考える」と、自身にも重ね合わせる。

 今季は実戦経験を優先し、2軍での出場が続いていた。チームに大量の感染者が出たコロナ禍で緊急昇格。1軍初出場は10月7日だった。そのチャンスにレギュラーをつかむと、CS出場をかけた西武との激しい戦いの中、信を思わせる将軍級の大活躍を続ける。

 井口監督も「若い勢いあるプレーで引っ張ってくれている」と手放しで称えた。西武に0・5ゲーム差をつけ、残りはともに2試合。8日にホームで西武を迎え撃つ。最後の直接対決に勝てば、4年ぶりのCS進出が決まる。西日も、雨の中断も乗り越えて王手。藤原は「少しでも貢献できるように全力でプレーしたい」と、決戦に向けて表情を引き締めた。(君島 圭介)

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