松坂世代・楽天でまた一人…久保が引退 3度の戦力外乗り越え投げ抜いた18年間

[ 2020年11月8日 05:30 ]

引退会見を行った久保(楽天野球団提供)
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 楽天の久保裕也投手(40)が7日、今季限りでの現役引退を表明。オンラインで会見し「18年間野球を楽しむことができて本当に幸せだった」と晴れやかな表情を浮かべた。3度の戦力外通告と度重なる故障を乗り越えた不屈の右腕。今季は5試合の登板に終わり「結果を出せずに力の衰えを感じた。イーグルスに入団する時に最後の球団にすると決めていた」と語った。

 02年に自由獲得枠で巨人に入団し、先発、中継ぎの両方で活躍。ユーティリティープレーヤーだった故木村拓也氏(享年37)からプロの世界で生き抜くすべを学んだ。「何でもできることを目標にする。それを教えてもらった。今では胸を張ってやりきったと言える」と声を詰まらせた。

 1980年生まれの「松坂世代」で「友人であり、ライバルであり、尊敬する同級生が多かった。良い世代に生まれてきたなと思う」と振り返る。特に同じ福岡出身の横浜(現DeNA)時代の村田(巨人2軍野手総合コーチ)には「絶対に打たれたくなかった。高校、大学、プロで対戦したし、気持ちが入っていた」と振り返る。会見後には同学年で前日引退試合を行った渡辺直から花束を渡され、熱い抱擁を交わした。現役を続ける西武・松坂とソフトバンク和田には「一年でも長く納得するまでやってほしい」とエールを送った。(重光 晋太郎)

 ◆久保 裕也(くぼ・ゆうや)1980年(昭55)5月23日生まれ、福岡県出身の40歳。沖学園から東海大へ進み、エースとして3年時は全日本大学選手権優勝。02年にドラフト自由獲得枠で巨人に入団し、11年に20セーブを挙げた。15年オフに戦力外となり、移籍したDeNAでも16年オフに戦力外。17年に楽天にテスト入団し、血行障害などのため一時は育成契約となったが、18年5月に支配下に復帰した。通算成績は506試合で54勝37敗37セーブ、防御率3・45。1メートル77、78キロ。右投げ右打ち。

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2020年11月8日のニュース