広島・野村 佐々岡監督バースデー祝う快投 7年ぶり自己最多タイの9奪三振

[ 2020年8月27日 05:30 ]

セ・リーグ   広島4-2DeNA ( 2020年8月26日    横浜 )

<D・広13>勝利投手の野村(右)を労う佐々岡監督(撮影・島崎忠彦)
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 広島・野村祐輔投手(31)が26日、DeNA戦(横浜)で8回を6安打2失点に抑え、今季3勝目を飾った。切れ味鋭い変化球を制球よく操り、自己最多タイの9三振を奪う好投だった。打っては松山竜平外野手(34)が2本の適時打で3打点を挙げる活躍。投打の歯車がかみ合う快勝で、11日ぶりに最下位を脱出し、53歳の誕生日を迎えた佐々岡真司監督を祝った。

 持ち味を存分に発揮した。8人の先頭打者をすべて凡退させ、快テンポで投げ抜いた112球。手渡そうとした佐々岡監督にウイニングボールを譲り、指揮官のバースデー勝利に貢献した野村は大粒の汗を拭いながら笑顔で充実感に浸った。

 「投げる前から知っていた。何とか勝ってお祝いできたら…と思っていた。自分らしい投球ができたと思う」

 リーグ打率2位の4番・佐野への投球が真骨頂だった。初回2死二塁では、141キロ直球を外角低めに決めて見逃し三振。6回1死でも138キロの外角シュートで空振り三振に斬り、倉敷ビガーズ~広陵~明大と同じ道を歩む5歳年下の後輩に威厳を示した。

 「投げミスもあったけど、全体的に見ればよかったと思う」

 自他ともに認める打たせて取るタイプの右腕が奪った9三振。新人王に輝く12年、翌13年に1度ずつマークした自己最多に並ぶ三振数が、切れ味の鋭さを証明していた。失投は梶谷に被弾した1球のみ。バックの好守にも助けられ、8回まで投げ抜いた価値は大だ。

 「昨日はリリーフ陣が投げているし、塹江も(イニングを)またいでいる。なるべく長いイニングを…と思っていたのでよかった」

 セットアッパーの塹江が9回にサヨナラ打を浴びた一夜明け。救援陣を救った野村に、佐々岡監督は「真骨頂を見せてくれた。言うことなし」と最敬礼。快勝で53歳の誕生日を飾り「素直にうれしい。自分の誕生日よりもチームが勝ったことが一番」と喜んだ。

 国内FA権を取得した昨オフ、就任直後に「チームの力になってほしい」と慰留された指揮官に贈った恩返しの1勝。登板6試合のうち5試合でクオリテイースタート(6回以上で自責点3以下)を達成し、野村には往時の輝きが戻りつつある。

 「すごくいい形で勝てた。一戦一戦、カープらしい野球をやって勝っていきたい」

 経験豊富な31歳の言葉が力強く響いた。 (江尾 卓也)

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