東尾修氏 サヨナラ打の裏で感じさせた西武・山川の工夫 今季最大のピンチ救いチーム浮上のきっかけに

[ 2020年8月27日 23:27 ]

パ・リーグ   西武8―7日本ハム ( 2020年8月27日    メットライフドーム )

<西・日12>9回1死満塁、サヨナラ打の山川(右)はナインの祝福を受ける(撮影・小海途 良幹)
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 【東尾修 視点】最後に決めた西武・山川は、打撃にいくつかの工夫を感じさせられた。まず4回の2ラン。左投げの河野に対し、ベースに普段より近く経っているように見えた。意識して寄ったかは分からない。ただ河野は内角へ投げにくそうに映ったし、そこで内を突ききれず甘く入った球をしっかり捉えた。

 9回のサヨナラの場面では、2ストライクと追い込まれた3球目、高め直球にフルスイングで空振りし、しっかりと脅かした。6―7の1死満塁。投手にしてみれば、できれば犠飛も避けたい。そこであのスイングを見せられたら嫌なものだ。その裏で自分は追い込まれてしっかりと軽打に切り替えていた。制球が定まっていない堀に対しての伏線となり、真ん中付近を捉えて決勝打とした。

 流れが二転三転する乱戦となったが、ポイントの一つは8、9回の日本ハムの継投。宮西、秋吉の3連投を避ける形となり、これは批判では全くないが、結果的には裏目に出てしまった。

 西武は負けて6連敗となっていたら、今季が終わっていたかもしれない。先発投手も振るわず、ベテランの中村もまったくバットが振れていない。投打の歯車が狂っている中でズルズル行く可能性はある。こういった1勝を大切にしないと、優勝争いに加わっていくことはできない。(本紙評論家)

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2020年8月27日のニュース