巨人・高梨 2回零封で移籍1勝 15戦連続無失点「ジャイアンツで勝ち投手になる日がくるとは」

[ 2020年8月27日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人12-5ヤクルト ( 2020年8月26日    神宮 )

<ヤ・巨>5回、この回を無失点で抑えた巨人・高梨(撮影・木村 揚輔)
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 新天地で再び輝きを放った。中継ぎとして完璧な仕事を続けている巨人・高梨が4番手で登板し、移籍初勝利を手にした。

 「ゼロに抑える中で、たまたまもらえたもの。中継ぎの仕事ができたことがうれしい。ジャイアンツで勝ち投手になる日がくるとは思いませんでした」

 来日初登板初先発のディプランが、初回に3失点して降板。5回に4―5と逆転され、なお無死二塁からマウンドへ上がった。「どのバッターでアウトを取ればいいのか、四球でもいいのか、長打は駄目な場面なのか」。冷静に打者を見極めてピンチをしのぐと、味方が6回に3得点してリードを奪い、2回無失点、3奪三振で後続につないだ。

 これで7月14日の移籍以来、15試合連続無失点。許した安打はわずか2本だ。楽天在籍時は、18年には球団史上最多の70試合に登板したが、今季は1軍登板なし。移籍前は変則的な横手投げで「左キラー」と期待されていたが、右打者に22打数で安打を許していない。

 「右打者とも勝負させてもらえて1イニングを任せてもらえている」と意気に感じる。対戦打者数は昨年は左が91、右が55だったが、今季は左も右も24。右打者を苦にしないことで信頼を勝ち取ってきた。

 工夫を凝らしたトレーニングがつくり上げたフォームも好投を支える。普段から右手でのキャッチボールや逆立ちで体のバランスを養う。さらに、ブリッジした状態で手を中心に体を1回転させるなど柔軟性を維持。その柔らかさを生かした腕の振りで、左打者には外角を遠く感じさせ、右打者には内角に食い込む「クロスファイア」の威力が増す。この日も左打者の青木には外角、右打者の荒木には内角にスライダーを投げ、いずれも空振り三振に仕留めた。

 自身のYouTubeチャンネル「たかなしきっちん」で手の込んだ料理の動画を上げ「料理男子」としての顔もファンの間では話題。今後も打者をどう料理していくのか注目だ。(田中 健人)

 ◆高梨 雄平(たかなし・ゆうへい)1992年(平4)7月13日生まれ、埼玉県出身の28歳。川越東では3年夏に県大会4強、早大からJX―ENEOS(現ENEOS)を経て16年ドラフト9位で楽天入団。18年には球団初の70試合に登板し、侍ジャパン入りも経験。1メートル75、81キロ。左投げ左打ち。

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