「投げるおかわり」西武・平良 開幕10戦、9回2/3無安打無得点 実質ノーヒッター

[ 2020年7月18日 05:30 ]

パ・リーグ   西武10―2楽天 ( 2020年7月17日    楽天生命 )

<楽・西>楽天打線を封じる西武・平良(撮影・白鳥 佳樹)
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 名前は「海馬(かいま)」。漢字で「タツノオトシゴ」という意味で「竜が落としたような強い子になってほしい」という思いが込められているという。西武・平良が12球団ワーストのチーム防御率4・72に低迷する投手陣で孤軍奮闘。快記録を達成し、チームは勝率5割に復帰した。

 「開幕から安打を打たれず9回に近づいてることは分かっていた。でも試合中は意識することはなかった」

 最速158キロ右腕は試合前の時点で9試合、8回2/3で無安打無失点。7回に2番手で登板し、先頭の銀次を二ゴロに抑えた。これで合計9回で「ノーヒットノーラン」を達成した。山下、辰己はともにこの日最速153キロ直球で空振り三振に斬り、記録は継続となった。

 身長1メートル73、体重100キロで「投げるおかわり」と称されるプロ3年目。中継ぎエースとして存在を確立したが、今春先発転向を希望した。「将来はメジャーで投げてみたい。じっくりと時間を取って筋力トレができる先発調整に憧れる」と、まっさらなマウンドでの登板を熱望。首脳陣にも熱意は伝わり2月27日の練習試合・ソフトバンク戦で先発も3回6安打5失点6四球で降板し、先発枠入りはならなかった。

 目標はかなわなかったが気持ちは切らさず、コロナ禍の自主練習期間中も重点的に筋力トレーニングを実施。下半身の筋力が大幅に増え、球威も増した。今季はここまで150キロ台後半の直球を連発。ここまで13三振を記録する平良は「今後もゼロで抑えられるようしっかり準備したい」と表情を引き締める。

 ノーベル製菓の商品のマスコットに似ていることからニックネームは「男梅」。新人王資格も有する沖縄出身の右腕はリーグ3連覇を狙うチームに欠かせない存在だ。(大木 穂高)

 ◆平良 海馬(たいら・かいま)1999年(平11)11月15日生まれ、沖縄県石垣市出身の20歳。真喜良小1年から捕手として野球を始め、中学時代に投手転向。八重山商工では甲子園出場なし。17年ドラフト4位で西武入団。昨季7月19日のオリックス戦で救援としてプロ初登板。中継ぎとして26試合で2勝1敗1セーブ、防御率3・38。趣味は釣り。1メートル73、100キロ。右投げ左打ち。

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2020年7月18日のニュース