日本ハム・有原“5度目の正直”で今季初勝利!粘った127球「とにかく際どいところに丁寧に」

[ 2020年7月18日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム7―4ロッテ ( 2020年7月17日    札幌D )

<日・ロ>日本ハムの先発投手・有原(撮影・高橋茂夫)
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 日本ハムの有原航平投手(27)が17日のロッテ戦に先発し、6回で8安打を浴びながら2失点と粘って今季5試合目で初勝利を挙げた。昨季は自己最多15勝で最多勝を獲得し、今季は自身2度目の開幕投手を務めたが、過去4試合は0勝3敗でチームも全敗。エースが苦しみながらもチームを勝利に導き、敗れたオリックスと並んで5位に浮上した。

 祈るように白球を見つめた。5点リードで登板した守護神・秋吉が2点を失い、なおも2死一、三塁と一発出れば同点のピンチを招いた。最後は安田を中飛に打ち取ってゲームセット。同僚から次々と祝福され、ようやく有原に笑みがこぼれた。

 開幕から約1カ月、5試合を要してようやく手に入れた20年初白星。過去4試合はチームが全敗していただけに「凄く責任を感じていた。とにかく粘り強く最少失点でいこうと思って投げていた」と責任感が口をついて出た。

 過去4試合、27イニングで3四球と定評のある制球が乱れ、この日は6イニングで3四球。直球のストライク率は前回登板の78・2%から65・2%まで急落した。1試合127球は17年7月7日のソフトバンク戦以来。「とにかく際どいところに丁寧に、と投げた結果が良かった」と振り返った。

 5回までは毎回得点圏に走者を背負ったが、6回は3者三振。最後にリズムを呼び込み、7回の打線の追加点につなげた。栗山監督は「よく粘り抜いた。調子が良くて勝つよりもこういう勝ち方の方が凄く意味があったと思う。苦しい時に勝つのがエース」と絶賛した。

 コロナ禍で開幕が3カ月遅れたが、影響を受けたのは母校・広陵の3年生も同じだった。3年生は18年以来の出場を目指していた夏の甲子園出場の夢が絶たれた。そこで同じく広陵OBの吉川、上原と連名で3年生のためにグラブ、スパイク、バットなど野球道具一式を寄贈した。

 プロ野球の今季開幕直前には広陵の中井哲之監督に電話でシーズン開幕の報告とともに、ショックを受けている後輩を「3年生、どうですか」と気遣った。19日に広島県高野連が独自開催する広島県大会初戦に臨む中井監督は「そういうことに気を配れて、ひと言添えられる優しい子。うちの出身のプロ野球選手の中では一番気遣いができる」と感謝した。

 上位浮上のきっかけをつかみたかったチームとしては最高の白星。有原にとっても今年1月に結婚した1歳年上の新妻にささげる勝利となった。「ここから取り返せるように頑張りたい」。エースの巻き返しが始まる。(東尾 洋樹)

 ▼日本ハム・中田(7回のダメ押し8号3ランなど4打点)有原をずっと援護できず、悔しい思いをさせてしまっていた。もっと勝たせてあげられるように頑張りたい。

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