磐城 4月で転勤の木村監督と“師弟コンビ”再結成へ エース沖「失ったと思った高校野球が戻ってきた」

[ 2020年6月11日 05:30 ]

「2020年 甲子園高校野球交流試合(仮称)」実施

吉田校長から報告を受ける磐城ナイン(前列左が沖)
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 こぼれる笑みを抑えきれなかった。磐城(福島)のエース・沖政宗(3年)は吉田強栄校長からの「甲子園」の知らせに、率直な思いを口にした。「諦めもあったので驚いた。とにかくうれしい」。46年ぶりに21世紀枠でつかんだ幻の春の切符が、形は違えど夏に再び手に入った。

 センバツ中止決定後に、これまで指導してきた木村保監督が福島商へ転勤。3月29日には甲子園で着用予定だったユニホームの贈呈式が行われ、翌日には木村監督と涙の“ラスト・ノック”で別れを惜しんだ。夏の大会中止も決定し、夢を奪われた右腕は「自分の野球人生の95%は終わった」と、モチベーションを失っていた。

 失意の中で、沖は5月末にたまたま磐城高を訪れていた木村前監督に再会。転勤先で就任した県高野連の副理事長という立場から、開催が濃厚となっている県の代替大会に向けて「絶対に夏は何とかするからな」と力強く約束してもらった。沖は「批判も起こるであろう逆風の中、保先生も自分たちのために戦ってくれている。もう一度頑張らなきゃ」と気持ちが晴れ、前を向き直すことができた。

 ともに聖地の土を踏めなかった恩師を、8月に夢舞台へ連れていく機会が訪れた。木村前監督も「野球の神様が遅ればせながら、ご褒美をくれた。どの立場でも野球を見たいし、関われる範囲で協力したい」と現チームに配慮しつつ、後押ししたい意向を示した。

 沖は言った。「失ったと思った高校野球が戻ってきた。ずっと気持ちを抑え込んできた分、レベルアップした姿をあの舞台で見せたい」。最高の恩返しに向け、踏み出したエースの表情はりりしかった。(秋元 萌佳)

 ≪3月末退任の監督 大会での措置協議≫3月末まで指揮を執った監督に対する措置は今後、実行委員会で協議される。磐城を率いた木村保氏、広島新庄を率いた迫田守昭氏は4月から他校に転勤しており、大会参加資格から両監督とも前チームの監督、部長としての出場はできない。ノッカーとしての登録など交流試合参加の可能性について、小倉好正事務局長は「どういう形になるか、今後、話し合っていくことになる」と話した。

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