元NHKアナ・小野塚康之氏が球児にエール 素晴らしい試み、例年以上に「待った」センバツを見せて

[ 2020年6月11日 06:00 ]

小野塚康之氏
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 甲子園で300試合以上、高校野球を実況した元NHKアナウンサー・小野塚康之氏(63)が、今回の交流試合決定を受けて球児にエールを送った。

 センバツ出場予定だった32校が、夏の甲子園で試合をする。素晴らしい試みで、こういうことができたらいいと思っていました。

 この春。センバツ中止が決まったとき、選手たちはどのような思いだったのかは分かりません。ただ、「この32校の皆さんは甲子園に出場したんだ」と自分の胸に刻み込みたかった。ですから自分の中でイメージして、甲子園で試合をさせてあげて全チームに勝たせてあげようと思い、32校全てが初戦突破する仮想の実況をさせてもらいました。それが仮想では終わらずに現実になる。きっと彼らは素晴らしい野球をしてくれるはずです。

 秋に実績を残し、いろんなことをイメージしながら待っていたセンバツ。その舞台がなくなってから3カ月余りが過ぎている。この間、大変な時を乗り越え、選手たちは心身ともに大きく成長していると思います。昨秋から半年以上、待って待って迎える甲子園です。この夏、例年以上に待った「センバツ」を見せてもらいたい。

 今年の夏は、代表校を決める地方大会も中止です。負けることもできなかった。そんな夏の選手たちの思いも持って、堂々とプレーしてもらいたい。この舞台に立てない同じ3年生たちもどこかで見ている。心のつながり、感謝の思い、いろんな思いを感じて、野球ができる幸せを表現してくれるでしょう。

 彼らはどんな表情を見せてくれるのか。その表情と一つ一つのプレーを見守りたいと思います。

 ◆小野塚 康之(おのづか・やすゆき)1957年(昭32)5月23日生まれ、東京都出身の63歳。学習院大を経て80年にNHK入局。東京アナウンス室、大阪局、福岡局などに勤務。野球実況を30年以上務め、甲子園での高校野球は春夏通じて300試合以上実況。五輪は夏冬合計で5大会、現地で実況した。19年3月に退局し、現在はフリーとして活躍。

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2020年6月11日のニュース