巨人・湯浅 「自分自身もビックリ」の技あり弾 入院中の坂本代役ではすまない活躍ぶり

[ 2020年6月11日 05:30 ]

練習試合   巨人8-8DeNA ( 2020年6月10日    東京ドーム )

練習試合<D・巨>初回無死一塁、バックネット裏のバーチャルシートの前で、中川(左)から先制2点本塁打を放つ湯浅(撮影・木村 揚輔)
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 師匠得意の「内角打ち」が乗り移ったかのようだった。巨人・湯浅が中川の146キロ内角直球に素早く腕を畳み、軸回転で振り抜く。次の瞬間、打球は左翼席中段まで達した。

 「コンパクトに振り抜くことができましたが、まさかホームランになるとは思わなかった。自分自身もビックリしました」。新型コロナウイルス感染から陰性判定も、入院中の坂本の代役として3試合連続の「2番・遊撃」で出場。初回無死一塁から、芸術的な先制2ランを放った。

 日本ハム・清宮、ヤクルト・村上と同じ高卒3年目。今オフは志願して坂本の沖縄自主トレに同行した。小学2年で野球を始めてから遊撃一筋で憧れの存在。天才と名高い内角のさばきを間近で観察した。原監督は「坂本の代わりと言うにはまだまだ早い」としつつ「3年目の若武者で並ではない」と称えた。

 7日ヤクルト戦の一発も内角球を捉え、左翼ポール際に運んだ。並の打者ならファウルだろう。なぜポールの外に切れないのか。指揮官は「(球を懐に)呼び込むことができている。だいたいの打者は追いかけて打つ。そこの違いが分岐点になる」と分析した。

 坂本しかり、レッズ・秋山、レイズ・筒香にも見られる好打者の共通項だ。前でさばくのではなく、ボールを呼び込んだ上でコンパクトに振り抜く。我慢して見極め、スイングを止めて見逃すこともできるため選球眼も良く、2四球を選んだ。

 坂本の合流が開幕直前なら、体調面を考慮する必要がある。「勇人さんたちがコロナで大変なことになっている。自分は、今がチャンスと思って自分の仕事をやるしかない」。練習試合再開から打率・467、2本塁打。初の開幕1軍どころか、スタメンの可能性もある。 (神田 佑)

 ▼高崎健康福祉大高崎・青柳博文監督(湯浅の恩師)プロに行く時は打撃が大丈夫かなと不安だったが、打撃が良くなった。本人の努力だと思う。本塁打を打ってるけど、持ち味は粘り強さやケースに応じた打撃だと思うので、良さを生かして活躍してほしい。

 【湯浅アラカルト】
 ☆生まれ&サイズ 2000年(平12)1月24日生まれ、群馬県出身の20歳。1メートル72、70キロ。右投げ右打ち。

 ☆球歴 遊撃手一筋。小学2年で軟式野球を始め、中学では富岡ボーイズに所属。高崎健康福祉大高崎では2年秋から主将を務め、3年春に甲子園出場。17年ドラフト8位で巨人入団。

 ☆センバツ 17年2月に右手首を骨折した影響で、自身は代走・守備固めで出場。今春は母校が出場を決めていたが、新型コロナウイルスの影響で中止され「本当にかわいそう。甲子園で思い切りプレーしてほしかった」と思いやる。

 ☆インスタグラム 19年に個人で開設。元木ヘッドコーチが今年5月にインスタライブで宣伝したことでフォロワーが1万1000人から一気に3000人増えたが、「設定が英語になっていて何人増えたかよく分からないんです」と天然ぶりを発揮。

 ▼巨人・パーラ(3回に2試合連続の右前適時打)積極的にいけたので結果につながった。ファーストストライクを集中して打てた。

 ▼巨人・小林(5回の左前適時打を含む2安打で開幕スタメンマスクへ猛アピール)自分のスイングができている。

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2020年6月11日のニュース