センバツ32校に夏が来る!8.10から甲子園で各校1戦「交流試合」

[ 2020年6月11日 05:30 ]

会見する、高野連の八田英二会長(代表撮影)
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 日本高野連は10日、大阪市内で理事会を開き「2020年 甲子園高校野球交流試合(仮称)」の実施を決定した。新型コロナウイルス感染拡大のため中止とした今春の第92回選抜高校野球大会に出場予定だった32校を招待。同じく中止とした全国高校野球選手権大会の期間中に甲子園球場を使用し、それぞれが1試合の対抗試合を行う。

 理事会後に会見に臨んだ日本高野連・八田英二会長(71、写真)は交流試合開催を決断した最大の理由を挙げた。

 「3月11日の選抜大会を中止にした時、私は何とか機会を見つけて球児に甲子園の土を踏ませてあげたいと発言した」

 5月20日には夏の甲子園大会中止も決断。高校球児への救済措置を継続的に模索する中で、同25日に風向きが変わった。政府が緊急事態宣言を解除し、感染症対策の基本的対処方針を示したことを受け「5月20日の決断は間違っていなかった。ただ、状況は変わりつつある」と判断。「球児たちに約束したことが可能ではないかと考えるようになった」と一気に動きだした。

 周囲の後押しも追い風となった。阪神球団は甲子園大会開催期間中の8月10~25日は公式戦を開催しないことを決めた。日本高野連も奔走し、今月8日には八田会長自ら兵庫県庁や西宮市役所へ足を運び、開催へ理解を求めた。「高校野球は特別なのか」などと世間の猛烈な批判を浴びながらも、球児の夢実現のために、関係各所が一丸となった。

 期間は8月10~12、15~17の6日間。開会式はリモート方式などを検討する。公式戦扱いでベンチ入りメンバーは春夏の甲子園大会から2人増の20人。組み合わせは7月18日に各校主将によるオンライン抽選会で決定する。都道府県によって期間中に独自大会を開催しているケースもあるため、試合日、試合順については招待校の事情を最大限に考慮。現時点では無観客が原則だが、控え部員、保護者らの入場は今後の感染状況の推移を見ながら検討していく。

 試合方法など詳細は今後、医学の専門家らも含めた24人の委員で構成する「実行委員会」で協議していく。八田会長は試合開催を「日本高野連の挑戦であり、新たな挑戦に向かう球児へのメッセージ」と位置付け。その上で、花道となる舞台に臨む球児へ「試合終了の声とともに、つづってこられた部活動日記に力強く終止符を打ってもらいたい。そして純白のページに“次なる挑戦”という文章を刻み始めてほしい」と呼び掛けた。

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