阪神・小川 満塁ピンチで完ぺき火消し役 「前回広島戦で打たれたのでリベンジできた」

[ 2020年6月11日 05:30 ]

練習試合   阪神1-15広島 ( 2020年6月10日    マツダ )

<練習試合 広・神> 3番手で登板した小川(撮影・大森 寛明)
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 テレビの前で見守る虎党のモヤモヤを“一平ちゃん”が解消した。阪神のドラフト6位・小川が、0―15と大量ビハインドの6回2死満塁から緊急登板。炎上続きだったこの日の投手陣で初めて、ピリっとした投球を披露した。

 「イニング途中からの登板も経験することができた。こういう場面でも使えると思ってもらえれば良い。開幕前にすごく良い経験ができたので、この経験を活かしたい」

 先発・ガンケルが8失点。2番手・高野が7失点途中降板という、劣悪な状況のマウンドだった。まずは、ノンストップで猛攻を続ける広島打線の中軸・西川と対峙(たいじ)。フルカウントまで持ち込まれたが、149キロ直球で空振り三振を奪った。前日にワンバウンドを安打にしてみせた巧打者を、真っ向勝負で仕留めてリズムに乗った。

 続投した7回は野間を149キロでニゴロに封じた。初回に満塁弾を放っているメヒアをまたも149キロでニゴロ。最後も坂倉を149キロで押し込み、平凡な遊ゴロで3人斬りを成し遂げた。屈辱的な大敗ムードの中で、ようやく一矢報いた格好だった。

 「前回の広島戦で打たれてしまっていたので、今日はそのリベンジができて良かったと思います」。2日に甲子園で対戦した際はメヒアに特大弾を浴びるなど、3つのアウトを取るまでに7打者との対戦を要した(1失点)。同じ轍を踏むことなく、開幕一軍入りへ大きく前進した。

 首脳陣から受けた評価は極めて高い。矢野監督からは「どういう場面でも使っていけそうなメドが立ってくる」との信頼を受け、開幕1軍入りの可能性について問われた福原投手コーチには「そうですね。今日はいいところで投げられるピッチング、ボールがあったと思う」と認められた。売り出し中の「小川一平」。その名を全国に知らしめる日はそう遠くないかもしれない。(巻木 周平)

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2020年6月11日のニュース