ヤクルト・村上 復帰1打席目、初スイングで即3ラン 球団史上最年少20歳4カ月での「開幕4番」見えた

[ 2020年6月10日 05:30 ]

練習試合   ヤクルト5-3日本ハム ( 2020年6月9日    神宮 )

練習試合<ヤ・日>1回1死一、三塁、村上が右へ先制3ランを放つ(撮影・村上 大輔)
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 ヤクルト・村上宗隆内野手(20)が9日、日本ハム戦に「4番・DH」で先発し、初回に先制3ランを 放った。4日に新型コロナウイルス感染を調べるPCR検査を受け陰性だったが、慢性扁桃(へんとう)炎のため2日間は完全休養。復帰初戦で結果を残し、19日のシーズン開幕の10日前の「一発回答」で不安を一掃してみせた。

 目の覚めるような打撃音と弾道。ボールを追う右翼手も早々に諦め、見送った。初回1死一、三塁。村上は井口の内角高めに来たカットボールを強振。初スイングで放った一撃は無人の右翼スタンド中段に突き刺さった。

 「チャンスだったの で、何とか結果を出したかった」

 昨季、10代では史上最多となる96打点を記録した勝負強さは健在。淡々とダイヤモンドを回る姿は、風格すら感じさ せた。その後の打席は凡退したが、「病み上がり」を感じさせない一振りだった。

 朝、高津監督に監督室に呼ばれ、心身の状態を確認された。4日以降の発熱によるダメージや、2日間の完全休養からの体の回復具合。陰性だったとはいえ、PCR検査を受けた精神的な負荷なども心配されたが「守備も走るのも大丈夫です。ほぼフルでいけます」と答え、出場が決まった。他の選手との兼ね合いで守備こそつかなかったがフル出場。指揮官は「体の状態も、技術的なことも、休んだので凄く気になっていたが、良いスイングだった。彼らしい打撃だったので安心した」と胸をなで下ろした。

 これで一時は心配された球団史上最年少となる20歳4カ月での「開幕4番」への道が再び開けた。これまでも「4番を打ちたいと思っている。“ヤクルトの4番は村上だ”と言われるように頑張りたい」と話している大砲。順調ならきょう10日の日本ハム戦から守備に就く見通し。国鉄時代の56年に22歳で町田行彦が務めて以来、半世紀以上も破られていない記録を塗り替える準備は整いつつある。

 昨季36本塁打を放ち、高卒2年目以内では西武・清原が1年目に記録した31本を超え、西鉄・中西に並んだ。2人の3年目はともに31本。試合数は昨年より20試合以上、少なくなるが今季の目標である「3割、30本塁打、100打点」を達成すれば再びレジェンドたちも視界に入る。試合後は特打も行った20歳。さらなる高みを目指しバットを振り続ける。 (黒野 有仁)

 ○…村上(ヤ)は今季が高卒3年目。高卒3年目以内のシーズン本塁打数5傑を見ると、
順 年 打者(所属)年数<本>
(1) 53 中西(西鉄)[2] 36
(1) 19 村上(ヤク)[2] 36
(3) 54 中西(西鉄)[3] 31
(3) 86 清原(西武)[1] 31
(3) 88 清原(西武)[3] 31
 となっており、53年中西と昨季の自身が2年目に記録した36本が最多。ただし、高卒3年目に限ると、54年中西、88年清原の31本が最多。村上は120試合で上回れるか。

【村上の経過】
 ▼6月3日 中日との練習試合にフル出場も3打数無安打。試合後の検温で36.9度。
 ▼同4日 朝の検温で37.0度あり、中日との練習試合を欠場。埼玉県内の病院でPCR検査後、戸田市に ある寮の自室で隔離措置。この日のう ちに平熱に戻った。
 ▼同5日 PCR検査の結果が陰性で「慢性扁桃炎による発熱」という診断を受けたと球団が発表。
 ▼同6日 寮で軽く体を動かす。
 ▼同7日 チーム練習に復帰したが、巨人との練習試合は欠場。

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