西武・川越 開幕1軍の希望詰まった“青雲弾” 選曲した師匠・山川もベンチで喜ぶ

[ 2020年6月10日 05:30 ]

練習試合   西武7-5楽天 ( 2020年6月9日    メットライフドーム )

<練習試合 西・楽>7回1死一塁、右越えに2ランを放つ川越(撮影・篠原岳夫)
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 右翼席上段で白球が弾む。本拠地は屋根があるため澄んだ空は見えないが、西武・川越には「幸せの青い雲」が確かに見えていた。

 「しっかりファーストストライクを打とうと。本塁打でよかった。青雲?初めて流して気に入ってます。シーズンもこれでいく」

 代走で5回から途中出場した男が同点の7回1死一塁で打席に向かう。すると日本香堂の線香「青雲」のテレビCMで有名な「青雲のうた」が流れた。ナインは爆笑。笑みを浮かべる辻監督も見守る中、1ボールから寺岡の144キロの高め直球を強振し、決勝2ランを叩き出した。開幕1軍の希望が詰まった「青雲弾」だ。オフに合同自主トレも行う「師匠」で、選曲した山川もベンチで喜んだ。

 昨季投手から野手に転向しプロ5年目。山川とは4月上旬から約1カ月半近く続いた自主練習中も「永哲メニュー」を一緒に行った。山川の中部商時代の陸上部顧問・赤嶺永哲氏が発案。バーベルのプレートを使用し体全体を鍛える激しい練習で「きついっす」と川越は苦笑いも、その練習が下半身づくりに生きた。

 2日からスタートした練習試合では4試合ぶりの出場も、通算3打席目での一発は何よりのアピールになったはず。辻監督も「十分な活躍。外野はスパンジェンバーグ、金子、木村だけど故障したり調子を落としたりするかもしれないから」と開幕1軍を示唆した。

 「自分の場合は長打も求められる。チャンスをもらったときに打てるように心掛けたい」と川越。開幕前の練習試合は残り5試合。スベり知らずの登場曲で、1軍切符をつかむ。(大木 穂高)

 ◆川越 誠司(かわごえ・せいじ)1993年(平5)6月30日生まれ、札幌市出身の26歳。豊平小2年から野球を始め、北海では3年時に4番として春夏連続甲子園出場。高校卒業後は消防士を目指すも試験に不合格で北海学園大に進学。1年春から主砲を務め、3年春から投手を兼任した。15年ドラフト2位で西武入団。投手として入団したが3年間で1軍登板はなく、19年1月に外野手に転向。昨季は2軍で8本塁打を放った。1メートル74、80キロ。左投げ左打ち。

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