巨人・戸郷、“追試”で6回2失点 桑田以来33年ぶりの“高卒2年目”開幕ローテ入りへ大前進

[ 2020年6月10日 05:30 ]

練習試合   巨人8-6DeNA ( 2020年6月9日    横浜 )

試合後、ナインが練習する中、自らマイクを持ちヒーローインタビューに答える戸郷(撮影・西尾 大助)
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 巨人は9日、横浜スタジアムで行われたDeNAとの練習試合に快勝。先発した戸郷翔征投手(20)は、初回に制球難で失点しながらも6回を2失点にまとめた。高卒2年目で目標とする開幕ローテーションに入れば87年の桑田真澄以来、実に33年ぶりの快挙。開幕前にもう1試合登板する予定で、好投すれば「当確ランプ」がともる。

 ようやく「船着き場」が見えてきた。長い航海でたくましく成長した戸郷が、開幕ローテーション入りに大前進した。
 「危機感を感じつつ、やっぱり“開幕ローテを狙っていく”と思って臨みました」

 前回2日の西武戦は4回3失点で「当確ランプ」をともせず。菅野、サンチェス、田口に次ぐ残り3枠を決める「追試」で初回は荒波にのまれた。先頭の梶谷に先頭弾を許し、ロペスにも適時打。ともにこの日最速の150キロ直球を打たれた。

 すぐに修正する。球がシュート回転することを恐れ「少し力をセーブしながら投げていた」と分析すると、2回から腕を振った。その後の5回は波に乗り、わずか2安打。6回2失点にまとめ「一番は腕を振ることで相手を翻ろうする。今年できてなくて悩んでいたので今日できて安心しました」と納得した。

 負けん気の強い投球は、宮崎出身の男くさい一面が支える。引退後の夢は遠洋漁業の漁師。「マグロを追い求める男としてテレビに出たい」と目を輝かせる。いとこは高知のマグロ漁師で「マグロの一本釣り。マジで格好いい」。初回の投球を反省すると、本来の荒々しい姿に戻った。

 この好投で開幕ローテーション入りは確実視されるが、原監督は「簡単にではなく、もう一回しっかりと」と将来性のある20歳への要求は高い。中6日で最後の練習試合でもある16日のロッテ戦先発が予想される戸郷は「(先発枠を)狙えるところは狙いたい。もう1歩、2歩、3歩進んでいけたら」と意気込む。高卒2年目では桑田以来、33年ぶりの「大物」を釣り上げる。 (神田 佑)

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