部員7人からのスタート プロ3球団で活躍の佐賀・太良高監督 代替大会へ「優勝が目標」

[ 2020年6月10日 05:00 ]

ノックをする永尾監督
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 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、今夏の全国高校野球選手権大会と出場権を争う都道府県大会が中止されたことを受け、各高野連は独自の代替大会開催に動いている。ただ、中止のショックが大きいのも事実だ。佐賀県の太良高校を率いる、プロ野球の阪神などで活躍した永尾泰憲監督(70)に中止を受けての心境、代替大会に懸ける思いなどを聞いた。

 有明海が一望できるグラウンド。手塩にかけた30人の教え子たちと臨むはずだった就任3年目の夏は、新型コロナウイルスの猛威の前に阻まれた。永尾監督は「(選手と)一緒に戦った決算を出したいと思っていた。戦える戦力になった手応えもあった。本当に残念」と唇をかんだ。

 永尾監督は現役時代にヤクルト、近鉄、阪神で通算1114試合に出場。引退後は阪神でコーチ、スカウトを歴任後、学生野球資格を回復。14年12月から母校・佐賀西のコーチを務めて、18年から太良高校の監督に就任した。当時の部員はわずか7人だった。

 そこに現在の3年生5人が加わった。「ちょっと練習したら、僕は休みますという部員がいたり…。甲子園を目指そうというチームではなかった」と振り返る。

 少しずつ前へと進んだ。「最高の準備が最高の結果を生む」という信念のもと、選手たちにグラウンド整備の大切さ、野球道具を大事にすることから伝えた。グラウンドから雑草が姿を消し、太良町や学校のバックアップもあってブルペンが造られるなど環境面も整った。

 選手とは積極的なコミュニケーションを図った。その一つが練習前に選手一人ずつとする握手だ。「今日はやる気あるな、すぐ目を背けたなとか。握る感触で、今の心の中が分かって面白いんですよ」と大事にしている。

 練習は「基本に忠実に」がモットー。守備では「投手の気持ちになってみなさい」と野手に語りかける。「打ち取った打球はしっかりアウトを取らないと心理的にくる」とプレーが雑にならないことを求めた。

 昨夏は初めての関西遠征も実施した。甲子園常連の大阪桐蔭や天理(奈良)と練習試合し、「同じ年代でどれだけ真剣にやっているかというところ感じてほしかった」という狙いは当たった。選手だけでミーティングを行い、「練習から桐蔭をまねてみよう」(大渡主将)という意見で一致。動きがキビキビとなり、チームの雰囲気も良くなったという。

 現在は県高野連が独自で開催する代替大会に向け、週6度の練習に熱が入る。県内の学校とは練習試合が可能で、週末を中心に試合勘を磨いている。一昨年、昨年と2年続けて夏は初戦で敗れているが、永尾監督は「優勝が目標」と熱く意気込みを語った。

 ◆永尾 泰憲(ながお・やすのり)1950年(昭25)5月2日生まれ、佐賀県出身の70歳。佐賀西から社会人のいすゞ自動車を経て、1970年ドラフト1位でヤクルトに入団。79年にトレードで近鉄に移籍。82年にもトレードで阪神へ移籍した。日本一になった85年は主に左の代打として55試合出場し、打率・327と活躍した。87年限りで引退し、コーチやスカウトを歴任。2014年12月には佐賀西のコーチも務めた。

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