ロッテ・朗希 やっぱり怪物!!初ブルペンで衝撃25球 ジャンケンで勝った“女房役”「カコイチ」

[ 2020年2月14日 05:30 ]

吉井コーチが後ろで見守る中、ブルペンで投げた佐々木朗(撮影・長久保 豊)
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 やっぱり、「令和の怪物」は本物だ!ロッテのドラフト1位・佐々木朗希投手(18=大船渡)が13日、石垣島キャンプ最終日にプロ入り初のブルペン投球を行った。最速163キロを誇る右腕は制限時間5分の中、捕手を立たせた状態で25球。150キロを超えるとの証言が相次ぎ、井口資仁監督(45)は今キャンプで視察した投手のブルペン投球で「No・1」と絶賛した。

 ウオーミングアップで14球を投げたところで、吉井投手コーチから「ほな、いこうか」の合図が出た。佐々木朗はセットポジションから左足を高く上げ、長い右腕をムチのようにしならせた。

 「バッチーン」。ミットを突き破りそうな勢いの直球。25球を投げ込んだ。「投げた感覚は良くなかった。全体的に駄目。納得できる球はなかった」。抜けた球や引っ掛けた球もあった。これまでの平地から傾斜に変わり「タイミングが違った。(気持ち良さも)今日はなかった」と不満顔。それでも周囲の反応は対照的だった。

 ボールを受けたのは5年目の柿沼。佐々木朗が誰に受けてもらうか迷っていると、正捕手・田村とのジャンケンに勝利した。その女房役は中腰で捕球し、「カコイチ(過去一番)!」とうなった。「体感で155キロぐらいは出ていた。本人はあまり良くなかったと言うけれど、高めの球はミットが切れそうだった」と証言する。

 真後ろから見た田村は「立ちで真っすぐだけやけど、既に千賀さんぐらい」と昨年9月にノーヒットノーランを食らったソフトバンクの絶対エースに姿をダブらせた。キャンプ中はあえて一度も投球練習を見なかった井口監督も初視察し「今年ブルペンを見た中で既にNo・1。自分の想像をはるかに超えていた。ダルビッシュや大谷とも対戦したが、全く違うタイプ。スピン量が凄い」と絶賛した。

 1月8日に球団寮に入る直前に、故郷・大船渡でマウンドから投げたが、ファンが見守る前では昨年9月6日のU18W杯・韓国戦以来だった。「(人に見られても)あまり気にならなかった。テンポよく投げました」。マウンドの傾斜に慣れるまでの時間は必要だが、コンディションの良さは確認できた。

 石垣島キャンプを打ち上げたが、今後も沖縄本島で実戦を行う1軍に同行。順調なら今月下旬にも捕手を座らせた本格投球を行い、4月ごろの2軍での実戦デビューを見据える。「一度も離脱することなく、最後までやりきれた。一つ一つの精度を上げて、より良いものをできたらなと思います」。この日「駄目」と言ったネガティブな言葉は、逆に末恐ろしさを感じる。(横市 勇)

 ▼川越投手コーチ 指にかかったボールは凄く力強かった。彼の能力からすればもっと凄いボールがいくと思う。
 ▼清水バッテリーコーチ 今まで見たことがない球。凄いの一言。ネットの後ろでもズシンとくる。152、153ぐらいは出ているような気がする。
 ▼小野2軍投手コーチ 凄いというかえぐいというのが率直な感想。一番凄いのは、打者が(マウンドからの距離を)近く感じること。
 ▼美馬(佐々木朗は)結構力を入れて投げたと言っていたけれど、そう見えないところが凄い。18歳でしょ。普通ならばガムシャラに投げちゃうのに…。
 ▼横山(ドラフト4位。佐々木朗の隣でブルペン投球)シャッターとかの音が凄くて投げにくかったです。(佐々木朗は)凄いなと思います。

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