中畑清氏 サイン盗み“クロ”なら一発永久追放くらいの厳罰を

[ 2020年1月28日 08:00 ]

中畑清氏
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 【キヨシスタイル】大リーグが大変なことになっている。アストロズのサイン盗み事件。ア軍の監督ばかりか当時ベンチコーチ、選手だった他球団の監督も入れて3人も解任された。罪の大きさを考えれば当然だよ。

 海の向こうの事件だけど、「対岸の火事」ですませちゃいけないね。日本でも疑惑はその時代、時代にたくさんあったんだから。

 古くは球団職員が変装してバックスクリーンの横から望遠鏡で捕手のサインをのぞき、手の動きで打者に伝えたらしい。指1本は真っすぐ、2本がカーブ。単純だった時代よ。

 そのうちサインは複雑になり、自衛策として導入されたのが乱数表だ。縦横4マスか5マスでランダムに数字を入れた表。投手と捕手が同じやつを両面ファスナーでグラブとミットにつけ、イニングごとに替える。

 これじゃあ時間がかかってしようがない。1983年、当時の下田武三コミッショナーが禁止したんだけど、サインが簡単になれば疑わしい行為がまた顔を出す。

 電光掲示板のランプが点滅する球場があったり、球種によってベンチから一斉に声が出るチームがあったり…。

 投手は球種によってフォームにクセが出ることがある。グラブの位置や手が入る角度など細かい違いを探しだす。うまい選手がいるんだよね。勝った方が優勝という94年の10・8決戦。私が打撃コーチを務めていた巨人は中日のエース・今中慎二のクセを見つけて攻略し、勝ったんだ。

 クセを見つけるのは特殊技能だけど、サイン盗みはあってはならない、やってはいけない行為。なのに厳罰が下ったことはない。

 98年オフに発覚したダイエー(現ソフトバンク)の疑惑もパ・リーグ特別調査委員会は「サイン盗みが確実に行われていたという確証はないものの疑惑を完全に払しょくすることはできない」という玉虫色の結論で、現場に処分を下すことはなかった。

 サイン盗みは力と力の対決を望むファンに対する重大な裏切り行為。NPBは調査機関を設置し、疑わしい行為があったら徹底的にメスを入れてほしい。クロだったら一発で永久追放。それくらい厳しくしてもいいと思う。 (本紙評論家・中畑 清)

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