星稜・奥川プロ正式表明 高校ラスト登板150キロ締め

[ 2019年9月30日 05:30 ]

茨城国体 高校野球硬式の部1回戦   星稜1―3智弁和歌山 ( 2019年9月29日    水戸市民 )

先発する奥川(撮影・白鳥 佳樹) 
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 10月17日に行われるドラフト会議で、1位候補として注目される星稜(石川)・奥川恭伸投手(3年)が智弁和歌山戦後、プロ志望を正式に表明した。近日中にプロ志望届を提出する。5日のU18ワールドカップ(W杯)カナダ戦以来となった先発マウンドは3回2/3を6安打2失点。最速150キロを計測するなど5三振を奪ったが1―3で敗れ、高校野球生活を終えた。

 気持ちは固まった。試合後、奥川は「(プロ志望届を)出すことを決めました。今までと違って、それが自分の仕事になるから責任がある。それなりの覚悟が必要になってくる」と、決意を表明した。

 高校日本代表として韓国で行われたU18W杯から帰国し、両親や星稜・林和成監督らと話し合いを重ねた。両親から「最後に決めるのは自分だ」と背中を押され、「自分の意思で決めた」と言った。

 水戸は「奥川フィーバー」に沸いていた。前日の午前中から球場前に列ができ、午前5時45分で約3500人が並んだ。約2万人収容の球場だが8時30分で内野席は満員、11時の時点で発券総数1万400枚となった。この日は智弁和歌山との再戦だった。今夏の甲子園では3回戦で激突。延長14回を3安打1失点、23奪三振の快投で制した。

 5日のカナダ戦以来となる実戦は、最速150キロを計測しながらも4回途中2失点。試合に敗れ、高校最後の登板となったが、2回には3者連続三振も奪った。「金属なら、もっとやられていたと思います」。この試合は両校合意の上で、全員が木製バットを使用した。異例の試み。プロ、大学、社会人でプレーする“予行練習”の意味合いがあった。

 ドラフト会議では注目の大船渡・佐々木を上回る球団から指名される可能性もある。「入学した時は正直、ここまで来られるとは思っていなかった。いい3年間が過ごせた。総合力の高い投手になりたい」。最速154キロ右腕は荒波へと飛び込む準備を整えた。 (桜井 克也)

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2019年9月30日のニュース