阪神、5連勝で逆転CS王手!矢野監督采配ズバリ 代打・陽川が先制V弾

[ 2019年9月30日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神6―3中日 ( 2019年9月29日    甲子園 )

5回2死、ソロ本塁打を放った陽川(55番)をゴリラポーズで迎える矢野監督(撮影・坂田 高浩) 
Photo By スポニチ

 阪神は29日の中日戦で今季2度目の5連勝へ伸ばし、クライマックスシリーズ(CS)進出へ王手をかけた。5回に代打・陽川が左翼へ先制弾。6、7回にも貴重な追加点を奪うなど矢野燿大監督(50)の采配がズバリ決まった。7投手をつぎ込み、8回までを零封。5試合にまたいだ42回連続無失点は2リーグ制以降では球団新記録だ。30日のレギュラーシーズン最終戦に勝てば、最大6・5ゲーム差からの逆転3位が決まる。

 4万6695人の観衆をのみ込んだ聖地のボルテージが一気に高まった。両軍無得点で迎えた5回2死。矢野監督が動いた。当初ネクストサークルに立たせていた鳥谷ではなく、陽川を代打に指名。2球目を仕留め、左翼席へ先制弾が飛び込んだ。長打力にかけた起用が当たり、一気に主導権を握った。

 「見事に打つ陽川も凄い。そんな期待をしているし、“陽川、打ってくれ!”と思っているけど、あそこで打った陽川は本当に素晴らしかった。あれでムードが一気にこっちに変わった一打になった。本当に大きな、陽川らしい一発でした」

 2番手の高橋遥に代打を送ったのは2回2死一、二塁。2回に代打を使うのは先発投手が早々に崩れた7月10日の巨人戦以来だった。「同点でもCSに行けない。勝たないと行けないのでね」。攻守で攻めのカードを切り続ける指揮官の意図をくみ取ったのは最強の救援陣だ。3回から登板のガルシアは3回無失点。岩崎、ドリス、ジョンソンが次々とスコアボードに0を並べた。

 「ずっとね、うちの一番の強みなんでね。ガルシアも3回行ってくれましたし。そういう部分では優(岩崎)とか毎日投げてくれるピッチャーが頑張ってくれたおかげです」

 最終回に藤川が3点を失ったとはいえ、21日の広島戦から3試合連続を含む42回連続無失点は圧巻のひと言だ。2リーグ制以降では球団最長記録。惜しくも球団新記録の4試合連続零封こそ逃したが、鉄壁の救援陣が試合の流れをつくった。

 「ピッチャーもそう、バッターもそう。みんなが粘って粘って、つなげるっていうね。こういう大事な試合でそれができたことがうれしい」

 今季2度目の5連勝で、球団では過去に前例のない最大6・5差からの逆転CS進出へ王手をかけた。勝率5割復帰は7月8日以来、実に83日ぶり。メッセンジャーの引退試合で観客動員は2年ぶり7度目の300万人を突破。もうムードは最高潮だ。「やるしかないのでね。楽しみにしています」。今季限りで退団する鳥谷のレギュラーシーズン最終戦。奇跡の扉をこじ開ける絶好の舞台だ。 (吉仲 博幸)

▼阪神・陽川(5回に代打で先制3号。甲子園では昨年9月8日巨人戦以来の本塁打)何回もチャンスをもらって結果が出ていなかったので。何とか塁に出てつなげようと思った結果が最高の結果になった。

○…阪神が今季2度目の5連勝で7月8日以来83日ぶりの勝率5割復帰。同じく勝率5割でシーズン終了の3位広島とゲーム差なし(勝ち数の差で広島が上位)になった。8月9日時点の最大6・5ゲーム差から追いつき、30日の中日とのシーズン最終戦に勝てば、3位浮上でCS進出が決まる。成功すれば07年の6ゲーム差を上回る最大の逆転CS進出だ。

○…球団初の4試合連続零封がかかった9回に藤川が失点し、9月21日の広島戦3回からの連続無失点は42回で止まった。42年9月の52回(プロ野球記録)に次ぐ2番目の長さで、50年の2リーグ制以降では13年4月の41イニングを上回り、球団最長記録を更新した。

続きを表示

2019年9月30日のニュース