マー君 メジャー公式戦初の救援、黒星もポストシーズンへの試運転に「想定していたスケジュール通り」

[ 2019年9月30日 11:22 ]

ア・リーグ   ヤンキース1―6レンジャーズ ( 2019年9月29日    アーリントン )

レンジャーズ戦に2番手で登板したヤンキース・田中将大投手(AP)
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 ヤンキース・田中将大投手(30)が29日(日本時間30日)、レギュラーシーズン最終戦となった敵地でのレンジャーズ戦で2回から登板。メジャー移籍以降では初となる公式戦での救援マウンドで、3回を投げて5安打2失点(自責点1)だった。チームは1―6で敗れ、田中は9敗目。メジャー6年目のレギュラーシーズンを田中は11勝9敗、防御率4・45で終え、10月4日(同5日)からツインズとの地区シリーズに臨む。

 今季最後の登板で見慣れない光景が展開された。プレーボールとほぼ同時にブルペンに向かった田中は、初回2死のところでキャッチボールを開始。その回終了と同時に捕手を座らせての投球練習を始め、2回の出番に向けて準備した。

 グリーンがオープナーとして先発したあと、今夏のオールスター以来となる2番手での登板。すべては何でも起こり得るポストシーズンのための試運転だったが、自身は楽天時代にもリリーフの経験があるだけに、特に戸惑うことはなかったという。試合後は「まあ自分が想定していたスケジュール通りにいけました」と事もなげに振り返った。

 マウンド上では2回こそ3者凡退で抑えたが、3回に3本の長短打と失策も絡んで2失点(自責点は1)。3イニングで53球を投げてマウンドを降りると、そのままチームは敗れ、勝ち越し点を奪われた田中に9敗目がついた。またも守備に足を引っ張られ、ポテンヒットも多く、田中も「きょうは運がなかったかな」。今季は様々な形で不運にも見舞われてきたが、そんなシーズンを象徴するような形の終幕でもあった。

 もっとも、9月に入って以降は上々の持ち球に対する手応えも変わっていない。最後のイニングとなった4回には2死満塁のピンチも招くも、2番アンドラスをこの日最速93マイルの真っすぐで三塁ゴロに切って危機脱出。この回は球威のあるボールが少なくなく、田中も「あの場面で失点しなかったというのは大きい」と自賛した。

 今回は田中をリリーフで試しておきたいチームの方針もあって救援起用となったが、地区シリーズではやはり第3戦までの先発が有力。ここに来て上昇気配なのも追い風で、先発陣への疑問符が消えないチーム内で田中の力は必ず必要になる。

 「これはこれで終わり。これまでと一緒ですけど、前を向いてやっていくしかない。ポストシーズンに入れば勝つことが何よりなんで、どんな形でも勝つ。そこに執着して、チームに貢献できればなと思います」

 シーズンの終わりは、また新たな戦いの始まり。先発、救援のどちらでもいける手応えを改めて得て、田中にとっても、ヤ軍にとっても、最も大事な1カ月がまもなく始まろうとしている。(アーリントン・杉浦 大介通信員)

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2019年9月30日のニュース