中京学院大中京・井上 意地の2ランでコールド阻止「このメンバーでもう少し、野球やりたかった」

[ 2019年9月30日 20:07 ]

いきいき茨城ゆめ国体2019 高等学校野球(硬式)競技会 2回戦   中京学院大中京3―8履正社 ( 2019年9月30日    ノーブルホームスタジアム水戸 )

 思いを込めた一振りだった。0―8の7回2死一塁、中京学院大中京・井上槙士内野手(3年)に打席は回ってきた。「最後の打者になるかも知れない。悔いの残らないように全球、フルスイングしよう」。初球はファール。2球目は空振り。カウント0―2から3球目の直球を捉えた。打球は高い弧を描き、バックスクリーンへ。一度は二塁でストップしたが、審判団の協議の結果、2点本塁打となった。コールド負けを阻止する高校通算4号。「めちゃくちゃ嬉しかった。このメンバーでもう少し、野球がやりたかった」。思いは届いた。

 土壇場でも強い気持ちを持つ男に打席は巡ってきた。3―8の2死走者なしの場面。またしても最後の打者になる可能性のある打席だった。「次に絶対につなごう。それしか考えていなかった」。今度は慎重にボールを見極めて、四球で出塁。2死一塁から代打・日暮が二塁内野安打。その代走に楠橋が起用され、ベンチ入り16人全員の出場が実現した。「このチームでみんなと野球ができて、悔いなく終わることができました」。16人のうち15人が3年生。今夏甲子園大会では快進撃を続け、4強まで進出した。仲間達と過ごした最高の夏、そして高校野球だった。

 今後は大学で野球を続ける予定。「財産を生かして、大学でも活躍したい。財産は甲子園でプレーできたことです」。かけがえのない思い出を胸に、新たなステージに力強く踏み出す。

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2019年9月30日のニュース