ハム高梨 自身9連勝で10勝到達 栗山監督「俺の中ではあいつが新人王」

[ 2016年9月19日 05:30 ]

<日・ロ>6回3安打1失点の力投で今季10勝目を挙げた高梨

パ・リーグ 日本ハム4―2ロッテ

(9月18日 札幌D)
 リーグ優勝と新人王。日本ハム・高梨が2つの大きな目標を視界に捉えた。「僕が投げて勝てば、チームは優勝に近づくし、新人王も近づいてくる」。6回3安打1失点。救援登板で白星を手にした6月2日のヤクルト戦(札幌ドーム)から自身9連勝で、自身初の2桁10勝目をマークした。

 初回に1点を先制された。チームにとって4戦連続初回失点だったが、2回以降は「粘ろう」と切り替えてスコアボードに「0」を並べた。5回は岡田の投ゴロを両腕に受け「メッチャ痛かった。でも気合で投げた」。一度ベンチに下がったが、ここからアクセルを踏んだ。6回は先頭・角中に10球粘られながら中飛、続く井上にも7球を要しながら145キロ直球で空振り三振を奪った。根負けせず、相手エースの涌井にも投げ勝った。

 プロ3年目だが、昨季まで2試合で計7回1/3を投げただけで1勝もしていなかった。全国的に無名な千葉・土気高を経て、山梨学院大からプロ入りした雑草右腕だ。「高校入学したときは、サッカー部に入ろうとした」と振り返る。新人王を争う楽天・茂木は対照的で桐蔭学園から早大に進んだ野球エリートだ。高梨は「たぶん、大学代表合宿で顔を合わせているけれど、向こうは覚えていないと思う」と笑う。

 遠慮がちな言葉は続く。「10勝できるとは思っていなかった。でも茂木は1年目から凄い。自分が新人王を獲れるとは思っていない」。その一方で高梨はマウンドに上がるとひょう変する。「対戦するときは絶対に抑えたい」。茂木との直接対決は7打数1安打、打率・143と圧倒する。

 「(記者投票で)決める人がどう考えるか分からないが俺の中ではあいつが新人王」と栗山監督。ソフトバンクと互角の勝負ができているのは高梨がいるからこそ。感謝からの「イチ推し」だった。 (横市 勇)

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