阪神・福留 来季一塁コンバートも 右翼はFA糸井獲りで埋める?

[ 2016年9月19日 05:30 ]

ファーストミットを手にノックを受ける福留

 巻き返しへの「ウルトラプラン」だ。阪神の福留孝介外野手(39)が来季から一塁手に転向する計画があることが18日、分かった。打力だけでなく、外野守備でも球界屈指の実力者ながら、来年で40歳。守備での負担を軽減し、勝負強い打撃をより生かせるようにする狙いだ。一方、球団は今オフのFA市場でオリックス・糸井ら大物外野手獲得に動く方針で、右翼の穴を埋める準備も進めていく。18日は同率5位だった中日が勝ち、阪神は7月26日以来54日ぶりに単独最下位となった。

 17日のDeNA戦で逆転負けを喫し、クライマックスシリーズ進出が消滅。事実上の終戦となった『超変革』1年目だが、巻き返しが至上命題となる来季に向け、驚がくのプランが練られていた。福留の一塁コンバート―。今季も外野守備陣のリーダーとして抜群の働きを見せてきたベテランが、来季から新たなポジションに挑戦する可能性が浮上した。

 巨人戦が雨天中止となった18日。室内練習場で、自らの名前が刺しゅうされた濃い青色のファーストミットを着用し、ノックを受ける背番号8の姿があった。金本監督は今季中の一塁手での出場に「それはないない。深い意味はない。趣味でやってるんでしょ。元内野手だから」と一蹴した。外野手が内野でノックを受けることはあっても、ファーストミットを使うのは異例。来季を見据えての“試し受け”にも見える光景だった。

 福留の外野守備力は健在だ。全盛期のスピードこそなくとも抜群の読みとプレー精度を誇る。8月21日の巨人戦では、1―1の9回1死二塁で抜ければサヨナラという小林誠のライナーを完璧なタイミングでダイビングキャッチ。昨季は9年ぶり5度目のゴールデングラブ賞も受賞しており、中村外野守備走塁コーチも「今でもウチで1番うまい」と脱帽する。

 ただ一方で、長年第一線でプレーした“勤続疲労”もある。今年4月半ばに左太もも裏を負傷。その後は週に1日程度、スタメンを外れる休養日を設けられた。全力で走り回る外野守備による負担が、年々増してきているのも事実だ。

 そこで浮上したのが一塁手へのコンバート案。中日時代の02年に外野手に本格転向するまでは、主に遊撃手で内野手の適性は高い。公式戦での一塁守備は中日時代の1度きり。だが今季も、練習で二塁や一塁の位置に入り、ノックやフリー打撃の打球を受ける場面はあった。運動量の比較的少ない一塁手なら、足腰への負担も減らせる。

 この「秘策」が実現するかどうかは、オフのFA補強にかかっている。今年は、本命と見られるオリックス・糸井をはじめ、中日の大島、平田、日本ハム・陽岱鋼(ヨウダイカン)など実力派外野手がFA権を獲得。彼らクラスを獲れれば、右翼の穴も埋められるという判断だ。福留の動向はもちろん、今後のFA戦線からますます目が離せなくなった。

 ≪最下位転落≫降雨で試合が中止となった阪神は、同率で5位だった中日が勝ったため6位に転落した。7月26日以来54日ぶりの単独最下位で、シーズン残り10試合を切った状況 では、6位に終わった01年以来15年ぶり。チームは目下57勝76敗3分けの借金19。19日負けて借金20なら12年の最大借金21以来4年ぶりになる。

続きを表示

この記事のフォト

2016年9月19日のニュース