西武・田辺監督のユニーク指導、「WIN思考」と「物まね指令」

[ 2015年9月27日 09:30 ]

西武・田辺監督

 指導者の言葉が選手を突き動かす。西武・田辺監督は、それを強く感じていると思う。昨季途中に打撃コーチから監督代行に昇格し、今季から監督に就任。一貫して選手、コーチとの対話を重視する姿勢をみせている。

 3月27日の開幕前、田辺監督は全体ミーティングで「What’s Important Now?(今、なにが重要か)」という言葉を紹介した。自身が感銘を受けた全米のベストセラービジネス書「エッセンシャル思考」(グレッグ・マキューン著)から引用したものだ。選手一人一人が役割を認識し、今何をすべきか考える「W」hat’s 「I」mportant 「N」ow?。頭文字を取ると「WIN(勝利)」になる。西武は開幕から、13年の8連勝以来となる7連勝を収めた。

 明確な数値目標も示した。4月24日ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)からの21試合は本拠地がわずか3戦で、18戦を敵地・福岡、千葉、仙台、札幌を回った。移動による肉体的疲労も多い長期遠征を前に「勝率5割を目指す。その力が皆にはある」と掲げた。厳しいロードで「全勝」ではなく「5割」という現実的な数値目標。西武は12勝7敗2分けで勝ち越し、首位争いを繰り広げた。

 技術指導も明確だ。炭谷には「垂直にかち上げるほど、アッパースイング」。木村には「中島(元西武、現オリックス)の打撃フォームの物まね」を課した。「大胆な要求をしても、実践できるのは半分くらいなんだから。突き抜けた要求をするのが自分の指導法」と、その意図を説明する。直後に木村は満塁本塁打を、炭谷は適時打を放ち結果を出している。

 チームは現在、ロッテとのし烈なCS進出争いを繰り広げる。9月4日、ロッテとの直接対決3連戦(QVCマリン)前には球場入りすると、コーチは集めず、一人で選手と向き合った。「1球、一打、一投に集中してほしい。絶対に勝とう」。選手が約10分間の熱弁に応え、3連勝。「選手には節目、節目で効果的な言葉をかけることができればいい」。その持論の下、CS進出を目指して戦う。 (神田 佑)

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