6連勝の“先輩”石井一久氏 マー君の多彩な配球パターンに感嘆

[ 2014年5月16日 11:21 ]

<メッツ・ヤンキース>9回1死一塁、マーフィーの投ゴロを処理する田中

 02年にドジャースでデビュー6連勝をマークした野球評論家・石井一久氏(40)は、自身の記録に肩を並べた田中の投球をどう見ているのか。12年前の自身と比較し、一番の違いは、配球のバリエーションの多さと分析した。

 まずは、サブウエー・シリーズという独特の緊張感の中で、自分のパフォーマンスができたことが凄い。捕手マキャンのリードもさえていた。これまでは早いカウントからスプリットを要求することが多かったが、この試合は配球が何パターンもあった。昨季までメッツと同地区のブレーブスに9年間在籍していたので、相手の特徴を知り尽くしており、その要求に田中がきっちり応えた。

 田中は7つの球種を持っていて、これはメジャーの先発投手と比べても圧倒的に多い。それでいて、一つの球種にもそれぞれ幅がある。この試合で良かったツーシームも、右打者のストライクゾーンから内角のボールゾーンに鋭く食い込むものと、カウント球としてストライクゾーンのギリギリに入れるものと2種類を使い分けている。

 7回に4番グランダーソンを見逃し三振に仕留めたカーブは、外角のボールゾーンから入ってくる、いわゆるメジャーで主流の「バックドア」と呼ばれるもの。9回、最後の打者ライトを打ち取った球も「バックドア」のチェンジアップだった。その球種では、日本ではほとんど投げていなかったコースだと思う。開幕から5試合を経て、一つ一つの球種の精度が上がってきた証拠だ。

 自分の1年目と比較すると、田中の方が打ち取るバリエーションが断然多い。僕は基本、真っすぐとスラーブの2種類で、フォークを少し投げたぐらい。勝ち星を伸ばすにつれて、相手も相当研究してきているのが分かった。田中も今後、マークはさらに厳しくなる。でも、この試合の「引き出し」の多さを見ると、シーズンを通して安定した成績を残せそうな予感はする。

 開幕から簡単に勝っているように見える田中だが、実際は苦労しながら、1試合ずつ、いろいろなことをアジャストしてきたはず。その積み重ねが完封という結果につながったと思う。(スポニチ評論家)

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