スライダーだけじゃない!松井裕パワーカーブに007警戒

[ 2014年2月3日 05:30 ]

ノックで捕球出来ず悔しがる松井裕

 強烈なスピンがかかったボールが、高めから鋭く落下した。打席に左打者がいれば、のけぞっただろう。審判の判定はストライク。楽天のドラフト1位の松井裕(桐光学園)が沖縄・久米島キャンプ2日目で「パワーカーブ」を解禁した。

 「体重移動を意識して投げてバランスよく投げられた。(カーブを投げたのは)気分転換です」

 キャンプ初日だった前日は直球のみ35球。マウンドの土が荒れていたこともあって投球後に下半身が三塁方向に流れ、ストライクは14球だった。この日は制球を重視してフォームが崩れることも少なく、65球中ストライクは36球。カーブも2球を投じ、1球目は捕手の手前でワンバウンドしたが、直球を挟んで投じた2球目は鋭く変化して捕手のミットに収まった。

 松井裕と言えばスライダーが代名詞だが、カーブも球速があって、それでいてブレーキが大きい。メジャーでは「パワーカーブ」と呼び、レンジャーズのダルビッシュも得意としている。球速は130キロ前後のスライダーに近く、およそ125キロ。それを可能にしているのが、鋭い腕の振りだ。受けた捕手の伊志嶺も「スライダーが得意なのかもしれないけど、カーブでも空振りが取れると思う」と絶賛した。

 3月28日からの開幕3連戦(西武ドーム)で対戦する西武の「007」も警戒を強めた。投球練習を見守った亀井猛斗チーフスコアラーは「高卒新人であれだけ腕の振りが速い投手を見たのは松坂(現メッツ)以来。体の強さ、切れなど、タイプとしては石井一久(本紙評論家)」と2投手の名を挙げて評した。

 連日、怪物の片りんを見せている松井裕だが「まだまだです」と求めているレベルは高い。星野監督も「投げっぷりがいい。俺好み」とほれ込む逸材。底が知れない。

 ▽パワーカーブ 通常のカーブより速く、スライダーより大きく曲がり落ちる。ダルビッシュの場合は通常のカーブが110キロ前後なのに対し、120キロ台中盤~130キロと10キロ以上の差。ハードカーブとも呼ばれ、レッドソックスなどで活躍したサイ・ヤング賞3度の右腕ペドロ・マルティネスも得意とした。

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2014年2月3日のニュース