佑はシュートで生き残る 崖っ縁の男が新球挑戦

[ 2014年2月3日 05:30 ]

ブルペンで投げ込む斎藤

 崖っ縁の男が新球で生き残りを懸ける。日本ハム・斎藤佑樹投手(25)が2日、今キャンプ初めてブルペン入りし、67球。今季から本格的な習得に取り組んでいるシュートを披露した。3年目の昨季は右肩関節唇損傷の影響でわずか1試合の登板(0勝)に終わったが、肩の不安はもう消えた。8日の紅白戦(名護)では大谷翔平投手(19)と先発で投げ合う。シュートに活路を見いだし、先発ローテーション入りを狙う。

 1年前は満足に投げることもできなかった斎藤が、一球ごとに「ウッ!」「ウッ!」と雄叫びを上げた。「今年は勝負の年。初日から戦闘態勢に入っている」。右肩を気にすることなく、思い切り腕を振った。そして32球目。「シュートいきます」の合図で投げ込んだ一球は、右打者の内角へ鋭く食い込んだ。

 この球こそ、復活への切り札だ。斎藤は握りについては「企業秘密」としたが「直球と同じ腕の振りで、縫い目を少しずらしている」とだけ明かした。この日は5球投じ「僕の中ではしっかり投げられている」と手応えを語り、打者への攻め方などについては「(実戦で)見てもらったら分かる」と不敵に笑った。

 狙いは明白だ。斎藤はこれまでスライダーを軸とした外角中心の配球で、右打者には踏み込まれて痛打される場面が多かった。右打者の内角にはツーシームがあるが、打者にとって「怖さ」がなかった。スコアラーから4年ぶりに復帰した厚沢投手コーチはシュートについて「ツーシームはゴロを打たせる球だが、シュートは詰まらせる球。打者は後者の方を嫌がることを、スコアラー目線で伝えた」と話す。同コーチの助言を受けた斎藤は、自主トレからキャッチボールで実践し、初ブルペンで披露した。

 昨年は2軍キャンプ地の国頭村(くにがみそん)で右肩のリハビリに明け暮れていた。シーズン登板は10月2日のオリックス戦(札幌ドーム)1試合のみ。3年目で初めて0勝に終わった。しかし、今はその不安は消えた。1軍のキャンプ地・名護に戻り「景色ががらっと違う」と言った斎藤。それは再び戦える舞台に戻ってきたことを意味する。全体メニュー終了後は再びブルペンに向かい、45球を投げ込んだ。

 ブルペンを見守った栗山監督は、ヤクルト現役時代のチームメートの名前を出した。「俺は(荒木)大輔を近くで見てきているから、それとかぶるところはある。佑樹の顔も変わってきているね」。同じように甲子園のヒーローだった早実の大先輩もプロでは苦しみ、右肘手術から4年間のリハビリを経て92年に復活。その荒木氏も斎藤同様に直球の球速は速くなかったが、内角をえぐるシュートで打者に立ち向かった。

 8日の紅白戦では、2年目の大谷と先発で投げ合う。「昨年のこの時期はブルペンにも入れなかった。それを考えたら良いスタート」。シュートを武器に斎藤が「戦闘態勢」に入った。

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