先発がわずか6球降板…木更津総合・笈川 救った!緊急登板“完投”

[ 2013年8月17日 06:00 ]

<西脇工・木更津総合>緊急登板の木更津総合・笈川が9回まで投げきり1失点に抑える

第95回全国高校野球選手権2回戦 木更津総合3―1西脇工

(8月16日 甲子園)
 2回戦3試合が行われ、16強が出そろった。第2試合は木更津総合(千葉)が西脇工(兵庫)を3―1で下し、同校初の3回戦進出。先発したエース・千葉貴央投手(2年)が右肩痛で打者一人に投げただけで降板。緊急登板した笈川翔太投手(3年)が8回2/3を5安打1失点に抑え、チームを救った。

 何かがおかしい。木更津総合の先発・千葉がスローボールを投げるたびに、甲子園がざわつく。92キロ、93キロ、100キロ…。マウンド上では相手に気付かれないようにサインに首を何度も振り、フォークの握りでも遅球を投じた。1番・今井をフルカウントから92キロで空振り三振。すると、女房役の秋葉が駆け寄る。わずか6球での交代。ベンチに下がった千葉の目からは涙がこぼれた。

 五島卓道監督は「千葉はちょっと無理だった。捕手がベンチを見たので交代を決断した」と説明。右肩痛が再発した2年生エースは志願して先発したが、全力で腕を振ることができなかった。

 緊急事態。マウンドに上がったのは、背番号10の笈川だ。三塁側ブルペンで捕手を立たせたまま10球を投げただけ。千葉からボールを受け取ると、後続を斬った。ベンチに戻ると「オレがもう一度(甲子園で)投げさせてやるから」と、涙を流す1学年下の後輩に声をかけた。3回に3安打で1点を失ったが、2種類のスライダーを多投し最少失点で最後まで投げきった。「(千葉の)投球練習を見て準備はしていたが、肩はできていなかった。気持ちで投げた」と汗を拭った。

 千葉大会ではエースナンバーを背負った。その中で千葉が準決勝、決勝で連続完投。「悔しさもあった。でも、千葉は気持ちが一番強いし、1番にふさわしい」と、10番を背負うことに抵抗はなかった。3―1の9回は連続四球などで2死満塁のピンチ。帽子のつばに書いてある「恩返し 自分を信じろ」という文字を見て、地元・西脇工の大声援を「自分への応援と思って」切り抜けた。

 同校初の16強入り。18日の3回戦、富山第一戦で、千葉の登板は絶望的だが、木更津総合には大舞台に強い、頼もしい左腕がいる。

 ≪過去の主なエースのアクシデント後の進撃チーム≫

 ☆62年・作新学院 エースの八木沢荘六を軸にセンバツで優勝。しかし夏の甲子園開幕直前に八木沢が赤痢の疑いと診断され、緊急離脱した。控え投手だった加藤斌(たけし)が初戦からフル回転し、中京商との準決勝、久留米商との決勝は連続完封。史上初の春夏連覇を達成した。

 ☆97年・智弁和歌山 前年のセンバツで2年生エースとしてチームを準優勝に導いた高塚信幸だが、大会後に右肩を故障。翌97年夏は、痛みを抱えたまま日本文理との初戦(2回戦)に先発したが、1回2/3を5失点KO。その後、高塚がマウンドに上がることはなかったが、控えの4投手の踏ん張りと強打で勝ち抜き優勝した。

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