頑張れ東北!マー君勇気の快投…6回無失点

[ 2011年3月19日 06:00 ]

<中・楽>4回、中日・井端の空振りをアピールする田中

東日本大震災

オープン戦 楽天1―4中日
(3月18日 ナゴヤドーム)
 被災地への思いを胸にしまった。ユニホームを着れば仕事に徹するしかない。震災後、初のオープン戦で楽天・田中はマウンドで躍動した。ベストメンバーの中日を相手に4回までパーフェクトに封じ込むなど、6回を2安打無失点。6日の西武戦(長崎)以来、12日ぶりの登板の影響を感じさせなかった。

 「ユニホームを着たら他のことを考えてもしようがない。“野球どころではない”という声もあると思うけど、与えられる勇気を発信しないといけない」

 本拠地・仙台の深刻な被害には胸を痛めている。地震発生直後から投稿型の簡易ブログ「ツイッター」で情報提供や励ましの言葉を届けてきた。自身も6歳の時に阪神大震災を経験。「揺れの大きさは鮮明に覚えている」と地震の恐怖を味わった。「いい結果を出して、耳に入ったり目にしたりしてもらえたら。微力ながらも、プレーで1人でも多くの人を励ますことができればと思ってやるしかない」。被災地の復旧にメドが立たない中で野球をすることに戸惑いもあるが、今できることに集中している。

 この日は両軍が左腕に喪章をつけ、試合前には黙とうがささげられた。スタンドには「頑張ろう東北」の横断幕も見られた。仙台には、いまだ避難生活を続ける人や行方不明者が多数いる。その中で、開幕戦は4月12日に決まった。「開幕日が決まったので、そこに向かって気持ちを持っていきたい」。自身初の開幕投手を目指す田中が、復興のシンボルとなる。 

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