伊東勤氏 投手コーチから昇格のロッテ・吉井監督“だからこそ”できたバッテリー強化

[ 2023年5月25日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ11-1西武 ( 2023年5月24日    ZOZOマリン )

<ロ・西>大量リードにベンチで笑顔の吉井監督(撮影・尾崎 有希)
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 【伊東勤 視点】投手コーチから昇格した吉井監督だからこそ投手の戦力を知り尽くし、最大限の力を引き出している。先発で5勝している西野は、私が監督1年目の13年に1軍に引き上げ先発で9勝を挙げた。救援陣が弱く抑えに転向させたが、球威があり、どの球種も制球がいい投手。先発で2桁勝てる力はあった。トミー・ジョン手術を受け復帰したが、吉井監督は西野の適性を見抜いていたのだろう。バッテリー強化という点では田村の活用もヒットだ。昨年はルーキー松川育成の陰で出場は2試合に止まった。田村は研究熱心でねちっこいリードをする。投手陣の信頼も厚く若い投手を支えている。

 打線は外国人頼みから脱却し、若い戦力が台頭してきた。荻野、高部が故障離脱しても藤原、平沢。山口が使えなければ茶谷や池田がいる。野手に関しては、かつて2軍も指導していた福浦ヘッドが戦力を掌握しているはずだ。投手も野手も1、2軍、育成を含めた“チームの総合力”で戦っているイメージがある。ゴールに向かって最初のヤマは交流戦。いつもと違う相手に、選手が計算通り力を発揮できるかがカギになる。(スポニチ本紙評論家)

 ▽13年のロッテ 開幕から2試合連続延長戦サヨナラ勝利と波に乗り、3、4月は13勝13敗、5月1~9日に8連勝で首位。その後、7月に6連敗を喫し楽天に首位を明け渡すと、球宴直後に5連敗で3位に陥落。最終的に74勝68敗2分け、勝率.521。首位・楽天と8.5差の3位でシーズンを終え、3年ぶりのCS進出が決定した。西武とのCSファーストSは2勝1敗で突破したが、ファイナルSは楽天に1勝3敗。伊東勤監督が就任し、前年の5位から巻き返しを狙ったが、10年以来の日本シリーズ進出はならなかった。

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