菊池雄星2被弾でメジャーワーストタイの14被弾も、ソロ本塁打率は71・4%、球団は攻めの姿勢を評価

[ 2023年5月25日 11:56 ]

レイズ戦に先発した菊池雄星(AP)
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 ブルージェイズの菊池雄星投手が24日(日本時間25日)のレイズ戦で、2回に2本のソロ本塁打を喫し今季許した本塁打数が14本。ロイヤルズのジョーダン・ライルズ、ドジャースのフリオ・ウリアスのワースト記録に並んだ。

 大リーグ公式サイトは本塁打が多いことについて、良くはないが、菊池という投手について考えると、必ずしも悪いことばかりではないと指摘している。

 昨季9回あたり5・2個の四球を出して自滅していたのが、今季はよりストライクゾーンに投げられているからだ(今季は9回あたり2・45四球、ちなみにアスレチックスの藤浪晋太郎は9回あたり7・8四球)。菊池も「ゾーンを攻め続けていると、時々打たれることもある。データをチェックするけど、これからもストライクゾーンを攻めて行く」と先日話している。

 21年にブルージェイズに所属しサイヤング賞に輝いた左腕ロビー・レイはそのシーズン、リーグで5番目に多い33本塁打を喫したが、3点本塁打が2本、2点本塁打が8本、ソロ本塁打が23本(ソロ本塁打率70%)。その年193・1回を投げ、13勝7敗、防御率2・84、248三振、52四球だった。菊池は14本のホームランのうち、3点本塁打が1本、2点本塁打が3本、ソロ本塁打が10本(ソロ本塁打率71・4%)である。ここまで51・1回を投げ、5勝2敗、防御率4・56、48三振、14四球である。

 もちろん大きな懸念材料はある。4月は4勝0敗、防御率3・00、WHIP1・11の好成績だったのに、5月は1勝2敗、防御率6・29、WHIP1・68と数字が落ちたからだ。試合を実況するスポーツネットの解説者バック・マルティネスは「問題はコントロールにある」と指摘し、「直球を狙い通りのコースに投げ分けること。それがどんな変化球よりも一番打ちにくい」と話す。

 とはいえ、そうした細かいことを言いだすと、昨年のように四球が増えてしまう。ブ軍のロス・アトキンスGMは「菊池は積極的にストライクゾーンを攻めている。身体能力が高く、耐久性もある投手。これからもっと良くなるし、アジャストする機会がある」と、これからもこの姿勢を続けて欲しいと願っている。

 ブルージェイズは7月になれば、トミージョン手術(左側副靭帯再建術)で長期離脱の柳賢振が復帰するかもしれない。トッププロスペクトのリッキー・ティーデマンが出てくるかもしれない。しかし今は、ストライクゾーンを攻める菊池に期待している。

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