“負けない男”阪神・島本が1392日ぶり勝利 プロ初登板からの無敗記録、NPB単独4位121試合に

[ 2023年5月25日 07:00 ]

セ・リーグ   阪神6―5ヤクルト ( 2023年5月24日    神宮 )

<ヤ・神>岩崎(左)からウイニングボールを受け取る島本(撮影・北條 貴史)
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 13年目左腕の意地が劇的展開を呼び込んだ。8回から登板した5番手の阪神・島本が、1回を無失点。9回の逆転につなげる渋い好投で、1392日ぶりの白星を手にした。

 「ゼロで抑えられたことが良かった。それだけです」

 前日23日に今季初昇格を果たし、1点劣勢の8回に出番が巡ってきた。先頭の長岡をフォークで空振り三振に仕留め、1死から中村には右前打を許したものの、代打・浜田、山崎を冷静に打ち取って零封。「ゼロで抑えて次の回にいい流れを持っていけるように、と思って投げました」と、追加点を与えず1点差のまま9回を迎えたことで“その先”があった。

 「逆転すると思って見ていました」。役割を果たした後は頼れる仲間を信じてベンチから声を張り上げた。ドラマの最後に待っていたのは19年8月1日の中日戦以来の白星。試合後に「俺もおまえ、初めてかなと思って聞いた」とプロ初勝利と勘違いした岡田監督がツーショット写真に応じようとする場面もあった。実際はプロ通算6勝目。それでも、じっくりかみしめたい一勝なのは確かだ。

 今季は1軍キャンプスタートも、若手との入れ替えで途中降格。「めちゃくちゃ悔しかったですし、このまま終わってしまうんじゃないかという不安もあった」と、危機感たっぷりに開幕を迎えていた。好不調の波はあったものの、地道に2軍で結果を積み重ね、待望の昇格。23年の“初仕事”は忘れられない一日になった。

 久々の勝利投手に加え、デビューからの無敗記録もNPB単独4位の121試合に更新した。虎随一の“負けない男”にスポットライトが当たった夜だった。(遠藤 礼)

 ▽プロ初登板からの無敗 プロ野球記録は公文克彦(日)の182試合。島本の121試合は現在歴代4位で、継続中のものでは最長。3位はデラロサ(巨)の137試合。

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