オリ・紅林 自身初のサヨナラ弾「打った瞬間、いったと」 登場曲「アラレちゃん」でスランプ脱出

[ 2023年5月25日 06:00 ]

パ・リーグ   オリックス6―5楽天 ( 2023年5月24日    ほっと神戸 )

<オ・楽>9回、サヨナラ本塁打を放った紅林(中央)(撮影・岸 良祐)
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 ほっと神戸で恒例の花火ナイト。オリックスの若武者が、最後の最後にドカンと特大の花火を打ち上げた。

 紅林だ。1点劣勢の9回1死一塁、カウント2―1から楽天の守護神・松井裕の甘く入ったフォークをジャストミート。夜空に舞い上がった打球は左翼席中段に着弾する2号逆転サヨナラ弾となった。左腕に初の自責点を付け「0・00」を粉砕。ガッツポーズでベースを一周してナインに水をかけられると、最後は中嶋監督に強烈なヘッドロックで祝福されて「愛を感じました」と胸を張った。

 「いつもだったらあそこで代打と思うが、監督が打席に立たせてくれた。期待に応えようと思っていった。打った瞬間、いったと思いました」。自身初の劇弾にお立ち台で笑顔がはじけた。神戸でのサヨナラ弾は11年9月13日の楽天戦でバルディリスが打って以来、球団12年ぶりだった。

 大型遊撃手としてリーグ連覇に貢献した期待の若手も、今季はオープン戦で不振に陥って2軍スタート。4月18日に昇格後もなかなか調子は上がらなかった。この打席まで13打数無安打。手首をこねたゴロが多く、試合前には指揮官から「手首を返さないで」と直接指導を受けた。その効果が土壇場で表れた。

 先輩の愛あるイタズラも気分転換になった。打席の登場曲は通常は「ジャンボリミッキー!」(東京ディズニーランド)で、チャンス時は「紅」(X)だが、この日は「Dr・スランプ アラレちゃん」のテーマとして有名な「ワイワイワールド」(水森亜土)が流れた。

 「宗さんに試合前“きょう楽しみにしとけよ”って言われて打席に立ったら知らない変な曲が流れていた」。初めは困惑したが、結果的にスランプ脱出につながり「まあ盛り上がってたんでよかったかな」と笑った。

 2月7日の21歳の誕生日には「21本塁打」の目標を立てた。「そこの目標は変えずにやっていきたい」。逆襲の一発でチームは4連敗から3連勝と息を吹き返した。(中澤 智晴)

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