19年W杯以来の対決は25年ぶり引き分け NZ19点リードもイングランド3連続Tで追いつく

[ 2022年11月20日 04:35 ]

ラグビー・オータムネーションズシリーズ   ニュージーランド25―25イングランド ( 2022年11月19日    英トゥイッケナム )

イングランド主将のオーウェン・ファレル(右)にタックルする ニュージーランドのリーコ・イオアネ(AP)
Photo By AP

 19年W杯日本大会の準決勝以来3年ぶりの対決はドローに終わった。世界ランキング3位のニュージーランド(NZ)が一時は19点をリードしたが、同5位のイングランドが残り10分で3トライを挙げて追いついた。両チームの対戦での引き分けは97年12月6日(26―26)以来25年ぶり2度目で、対戦成績はNZの33勝8敗2分けとなった。

 10月の日本戦でレッドカードを受けたロックのレタリック(元神戸製鋼)が出場停止から復帰して通算100キャップを達成し、SOモウンガ、FBボーデン・バレット(元サントリー)という布陣に戻したNZに対し、イングランドは前週の日本戦から先発を3人変更。フランカーだったイトジェをロックへ上げ、シモンズをNo・8からフランカーへ移して8番はビリー・ブニポラが先発した。NZの試合前伝統のハカは「カマテ」。「カパオパンゴ」だったW杯準決勝ではV字隊列を組んで敵陣まで侵入し、プレッシャーをかけたイングランドは、同じく100キャップ目を迎えたCTBファレル主将らが一列になって淡々と見守った。

 前半は速く飛び出してくるイングランドのディフェンスにキックで対応し、スクラムやモールでプレッシャーをかけたNZが試合を支配した。開始4分、今秋絶好調のフランカー、パパリイが相手ラインアウトからのパスをインターセプトし、約50メートル独走して先制トライ。9分にはゴール前ラインアウトからモールを押し、フッカーのテーラーが左中間へグラウンディングして14―0とした。イングランドは26分にファレル主将のPGで3点を返したが、NZは前半終了間際にCTBジョーディー・バレットのPGで17―3として折り返した。

 後半の先手はイングランド。2分、右足首を痛めたファレル主将に代わってSOスミスがプレースキッカーを務め、PGを決めた。だが、NZはゴール前での厳しいディフェンスで流れを渡さず、同10分には自陣でのターンオーバーを起点に、大外でキックパスを受けたWTBクラークがさらに外へ走り込んできたCTBリーコ・イオアネにパス。R・イオアネは左タッチ際を70メートル以上独走して22―6とするトライを決めた。

 NZは31分、B・バレットが約30メートルのDGを成功させて25―6としたが、直後からイングランドの反撃が始まった。スミスの突破からゴール前へ殺到し、途中出場したプロップのスチュワートが左中間へねじ込んでチーム初トライ。B・バレットがイエローカードを受けて1人少ないNZに対し、34分には左右に揺さぶるアタックから最後はFBスチュワードが右隅へ飛び込んで25―18と1トライ差に詰め寄った。39分には右外へ大きく展開してボールキープし、最後はまたもスチュワートが右中間へ飛び込んで3連続トライ。スミスのコンバージョンも決まり、驚異的な粘りで引き分けに持ち込んだ。

続きを表示

2022年11月19日のニュース