【二所ノ関親方 真眼】相手に隙を与えない若隆景の理詰めの攻め「柔よく剛を制する」とはまさにこのこと

[ 2022年11月19日 04:20 ]

大相撲九州場所 6日目 ( 2022年11月18日    福岡 国際センター )

逸ノ城(右)を下手投げで破る若隆景(撮影・岡田 丈靖)
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 逸ノ城を退けた若隆景の相撲を将棋に例えれば、一つ一つ段階を踏みながら最善手を繰り出した、会心の取り口でした。ポイントは左のおっつけで、逸ノ城の右を生かさないことを徹底していました。相手の手首を握ってコントロールすることで、肘は思うように使えなくなります。右を完全に殺すことができたことが勝利のポイントでした。

 理詰めの攻めで相手に隙を与えない。逸ノ城は80キロの体重差も、右四つの形も生かせず万策尽きたといったところです。「柔よく剛を制する」とよく言いますが、まさしくその内容。お客さんも満足したことでしょう。部屋で一緒に見ていた若い衆には「小さい力士はこう攻めるんだよ」と言い聞かせました。

 序盤はつまずくことが多い若隆景ですが、正攻法で来る上位と対戦する後半の方がやりやすいのも事実でしょう。首位とはまだ1差。もちろん優勝候補の評価は変わりません。(元横綱・稀勢の里)

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2022年11月19日のニュース