NHK杯2位 坂本花織の苦悩「頭の中に天使と悪魔がいる」五輪シーズン後の葛藤明かす

[ 2022年11月19日 17:33 ]

フィギュアスケートGPシリーズ第5戦NHK杯第2日 ( 2022年11月19日    札幌市・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ )

<NHK杯女子>笑顔を見せる3位・住吉りをん、2位の坂本花織(撮影・長久保 豊)
Photo By スポニチ

 女子フリーが行われ、SP2位の坂本花織(シスメックス)はフリー1位となる133・80点をマークし、合計201・87点で2位となった。GPファイナル進出は決まったが、NHK杯3連覇は逃した。

 真っ赤な衣装に身を包み、今季から使用する「Elastic Heart」に乗って演技を披露。前半はジャンプを決めていたが、後半のフリップ―トーループの連続3回転が回転不足となる。続くダブルアクセル―3回転トーループ―2回転トーループの3連続ジャンプは成功させながら、ラストのループで回転が抜けた。

 順位が確定した後、悔しさを抱えつつも、サバサした表情で今大会を振り返った。

 「今できることはできたのかなと思います。自信があって臨む大会と、自信がない中で臨む大会ではこんなに違うのかと。試合を楽しくやりたいし、日頃(の練習が)苦しくても、試合で笑顔になるには苦しさを押し殺さないといけない」

 昨季は北京五輪銅、世界選手権制覇と飛躍を遂げた。新たなシーズンを迎え、まだ気持ちは追いついていない。

 「自分の頭の中で天使と悪魔が戦っていて、頑張る自分と、頑張り疲れた自分がいる。今シーズン、あらゆる場面で考えてしまうことがあって…。その悪魔をやっつけないといけない」

 優勝したスケートアメリカから帰国してすぐに体調を崩し、39度もの発熱で1週間程度、練習することができなかった。「それは言い訳にしかならない」と話したものの、少なからず今大会に演技に影響したことは確かだろう。一方、神戸学院大の4年生でもあり、現在は単位取得のために平日は毎日、朝練習終わりで学校に通っている。

 「絶対にスケートに支障が出ないように学業を最後、4年の後期で頑張っていて。(コーチ陣と)スケートをサボらない条件で学業とスケートを両立させて、朝から晩まで頑張っています」

 12月にはGPファイナル、そして全日本選手権が控える。中野園子コーチは「いろいろと葛藤があると思うけど、12月は頑張ると思います。これ(今大会)を勉強に、自分でも直さないといけないところと頑張らないといけないところが見えたと思う。ファイナルと全日本は頑張ってくれると思います」と期待を寄せた。

続きを表示

2022年11月19日のニュース