十両土俵で1年半ぶり!朝乃山が万感大銀杏「いろいろな思いこみ上げた」徳勝龍との賜杯経験者対決制した

[ 2022年11月19日 04:20 ]

大相撲九州場所 6日目 ( 2022年11月18日    福岡 国際センター )

徳勝龍(左)を押し出しで破る朝乃山(撮影・岡田 丈靖)
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 元大関で幕下4枚目の朝乃山(28=高砂部屋)が十両の徳勝龍を押し出しで破り、4連勝とした。関取(十両以上)が結う大銀杏(おおいちょう)で本場所の土俵に上がるのは、大関だった昨年夏場所11日目以来548日ぶり。大相撲史上初となる幕内優勝力士同士の十両での一番で勝ち越しを決め、関取復帰へ一歩前進した。幕内では関脇・豊昇龍ら4人が1敗を守った。

 朝乃山には、やはり大銀杏が似合う。十両力士と対戦する時は幕下力士でも同じように結う決まりとなっており、1年半ぶりに大銀杏で土俵に上がった。「部屋で床山さんにやってもらってから、いろいろな思いがこみ上げてきた」。大関時代を思い出し、身が引き締まる思いを口にした。

 この日の相手は、近大の7学年先輩で、一昨年の初場所で幕尻優勝を果たした徳勝龍。19年夏場所Vの朝乃山も含め、十両の土俵に上がった幕内優勝経験者は過去14人いるが、直接対決が実現するのは史上初だった。立ち合い鋭く踏み込んだ朝乃山が下から押し上げて一気に前に出て完勝。十両の土俵でも、元大関の実力は段違いだった。

 先場所はまさかの1敗を喫して関取復帰を逃した。幕下での敗戦ショックは大きく、一時は引退も考えたほど「精神的に追い込まれた」という。「今は元大関のプライドとか全然ないので、気持ち的にも楽」と気負いなく臨んだ今場所は、4連勝で一気に勝ち越しを決めた。「自分の中では通過点ですので、あと3番気を引き締めて自分の相撲を取りきるだけです」。表情を崩さず、全勝での関取復帰を見据えた。

 「今日は黒まわしだったけど、来場所は締め込みで15日間戦いたい」。絹の締め込みは大銀杏と同様、十両以上の関取にしか許されていない。実力的に申し分ない元大関が、関取復帰への思いをまた一つ強めた。

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2022年11月19日のニュース