アメフト東北大 タイブレーク制し準決勝進出 12月4日に甲子園ボウルの「常識」変える

[ 2022年11月19日 18:04 ]

全日本大学アメフト選手権2回戦   東北大26ー20中京大(タイブレーク第6Q) ( 2022年11月19日    CSアセット港サッカー場 )

<中京大・東北大>タイブレークの激闘を制し、次戦に向かう選手に声を掛ける東北大・芝山主将
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 「アウェー」の地で、東北大が大きな一歩を記した。14―14のまま、タイブレークに突入した中京大戦。先攻の東北大がTDを奪ったものの、QB芝山武志主将(4年)がTFPのキックを外し、少し微妙な空気がサイドラインに流れる。後攻の中京大もTDを決め、同点。祈るような思いで、芝山は相手TFPを見守った。次の瞬間、飛び出したLB関岡怜(4年)がキックをブロック。再び試合は振り出しに戻り、九死に一生を得た東北大は第6QにTDをもぎ取り、関東王者と戦う準決勝への進出を決めた。

 「(関岡は)1年生の時に、自分がアメフットに引き込んだんです。あの時に声を掛けておいて、本当に良かった」

 笑顔で振り返る司令塔は、大阪・豊中高出身。高校でもWR、LBとして活躍し、関西の強豪校から誘いを受けながら、東北大へ進んだ。「自分が引っ張れるようなチームを勝たせる方が面白い」。部員の9割が未経験者。競技のイロハから教える「伝道師」としての役割を果たす一方で、9月にQBへ転向し、フィールドでも大黒柱になった。

 準決勝(12月4日)では、関東の王者と甲子園ボウル出場をかけて戦う。過去、関東、関西以外の地区が聖地を踏んだ例はなく、歴史を動かすビッグチャンスだ。関東の代表校は、23日の全勝対決の結果で決まる。早大か、法大か。芝山にとっては、両校とも1年時(早大)と3年時(法大)に東日本代表決定戦で敗れた相手だけに、借りを返す最後のチャンスといっていい。

 「きょうのプレーは45点のデキだった。ただ、もう1試合できるので、そこでやり返そうと思っている。残り2週間で、プレーの精度を高めていきたい」

 京大以来、史上2校目となる国立大の甲子園ボウル出場へ。芝山、そして東北大は静かに「一発」を狙っている。

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